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切り裂かれた精神と宝物と世界
そんな私の願いが外の世界に出ないって決めた事件を呼んだのかもしれない。
目を覆いたくなるような事件が二つ。
どちらも私が徐々に学校を休みだした頃に起こった。
一つ目は携帯への止まらない中傷。メールアドレスを拡散されたのだろう。
知らない人からのメールがこれでもかというほど来た。
見たく無い写真や文面が私の携帯に並んだ。
二つ目は髪を切られたこと。ずっと伸ばし続けた髪。
この世で一番大切な人が早く治るようにと切らなかった髪。
私は怯えた。何か大切なものを失った。髪を切られるたび思った。
ただ毎日辛くて逃げたくて休んだら私はカーストの穴にまっさかさま。
そしてそんな私に追い打ちをかけるように、
最愛の幼馴染は死んだ。ずっと好きだった。
彼も私を愛してくれたのに。私が髪を切られたりなんかしなければ
彼はきっと元気だったのに。私はバラバラの髪を見据えた。
「お前、髪切ったのか。」すべてにおいて追い詰められた私に父親が投げかけた
軽率な言葉は、自分の中の何かを切ってしまった。