どの場所も
私がまだ外の世界にいたころ、私たちの学校は平和だった。
世の中で大騒ぎになっているいじめもなかった。
それは見せかけの平和。どうしたって争いごとは起きてしまうし。
それを止めることはどんな超人でもできない。
力はあっても時間が力を弱ませる、
だから結局解決なんてしないんだ。
どの世界にも結局のところ、権力はある。
世で言うスクールカースト。私は真ん中にいた。
強い子たちの言葉にはやんわりと笑顔で。
弱い子には徹底的に厳しい言葉で。
卑怯だってわかってた。でもどうしようもないじゃない。
どこかで息を吐かないと私だって死んでしまう。
あの頃はまだ、罵られることも嫌われることも怖い。
弱虫だったんだ。
そして私は疲れた。気を使って友達に声をかけたり顔色をうかがったり
嘘笑いしたり、どーでもいい話聞いたり。
気を張らなきゃ生きてけない自分にも、人を見下す態度をとってしまう自分にも嫌気がさした。
学校だけじゃ無くて家も嫌いだった。
突然不機嫌になる父親も、おんなじことをバカみたいに言い繰り返す母親も。
全部消えちゃえっていっつも思った。
そんな私の願いが外の世界に出ないって決めた事件を呼んだのかもしれない。