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テロリストの7異能vs異能

思ったより長続きした。

一方、他のテロリスト達。「おかしいなぁー。ここらへんに、反応あったんだけど。」

僕は、そう言いながら、チラッと私さん横目に見た。相変わらず彼女は、マスクごしでもわかるくらい不機嫌そうな顔で、腕を組みながら歩いている。

僕は、はぁと溜め息をついて、再び、機械に視線を移した。

相変わらず、反応は、全くない。

やはり、探知機の故障かもしれない。もしもそうなのであれば、あのサングラスのおじさんにけちつけないと、そもそも持ってきたのはあの人なのだから。

と、

指で、探知機を軽く撫でた。

....ふと僕は、思った。

(....そろそろ体育館に戻る方がいいのかもしれない。なんだか誰かに誘導されている気がして嫌だから。それに今頃生徒達に抵抗されてるかもしれないし。)そう彼女に体育館へ戻ろうと言おうと口を開いた瞬間――――。


どこかでカチャっと金属音がした。僕は、開いていた口を閉じ、彼女と顔を見合わせた。


僕は、この音は鎖を持ったりするときにする音だと思った。


シャリ。今度は鎖を机に置くような音だった。僕らは、なんとなく音のする方へ向かった。

....なぜか足早に。


音のする教室にたどり着いた僕らは、顔を見合わす。

彼女は、こくりと頷く。

僕も頷き返して、ドアの取っ手に触れた。

ゴクリ。

無意識に唾を飲み、

恐る恐るドアを開ける。

すると、


「ウワァッ!」

開けた瞬間、

僕らが、その後どんな目に遭ったかは、覚えていない。

.....あまりの痛みで。少なくとも、大きな怒声がまだ耳に残っているのと、この顔。思い切り殴られた跡があるだけだった。



~体育館~

能力は、暴いたものの状況は、変わらない。

(そもそも実力的にも異能的にも差がありすぎるんだよなぁ)

自分の異能の発動条件は、相手に触らなければならない。

対して、あちらさんは、糸で投げつけたり斬ったりと凡庸性も戦闘経験も、間違いなくあちらがうえですな。

とりあえずごり押しでは、まず勝てないこと間違いなし。そう、走りながら思う。

とりあえず俺は、奴の能力について考える。異能者同士の戦いでは、相手の戦闘方法を見抜く。

というのが布石らしい。

さて、奴の能力である

糸の予想射程距離は、

あの伸びる糸が約10メートル位か。10メートル、....長い。教室の端から端迄届くレベルである。

そしてあの切れる糸は....

2メートルもないんじゃないかなぁ。

だって、サングラスさんの体に弾の破片当たってたからなぁ。

フム.....そもそも当たってたかな?


.....つまりだ。サングラスさんのあの切れる糸は、完全に防げるものではないか?

そもそもあの糸は、防御に強いのか?

もしかしたら、ライフル連発なら.....

持つ前にやられます。伸びる糸でライフルごとびたーんびたーんと思い切り床にたたきつけられますし、(大体さっきからからだごと投げられてるし。)

撃ったとしても、まともに当てる技術は、持ち合わせてない。

だとしたら.....今やることは. あの伸びる糸を封じる手段を考えよう!

あいつにはライフルだとか、なんだとか効かないと思う!

それに、元々、自分の戦法なんてそんなもんだ!と決めた時には足を動かしていた。


サングラスは、左手をポケットに入れて、右手だけで、糸を振り回している。目的は決まった。あの腕を封じよう!




兵士は、欠伸をした。何だか、無理やり寝かされた気がして、

目覚めは、最悪だった。全くなんだってんだよーとライフルをもっておもむろに持ちながら、立ち上がり、数秒後、床にまた、倒れた。

なぜか。

それは、先ほどサングラスが投げた、流れ玉ならぬ流れ物を投げつけられたからである。

そして、それが見事に脳天ぶち抜いたからだ。

兵士は物が頭にぶつかり勢いで床に思い切り、倒れたのだ。兵士は薄れ行く頭のなかで思った。(こんどは、痛みある眠りだ)

そして兵士は、しばらく眠った。



再び倒れた兵士をみた石橋の顔が真っ青になった。 仲間にも....。物を当てるなんて、あの人怖い。と心の底から思った。

(本当は、当てるつもりはなかったなんて石橋は、知らない。)

そんなサングラスは、おっと、やっちまった。と左手で頭を押さえた。

ついでにその左手で欠伸して口を押さえる。どうやら、あの仲間には何の反省の色もないらしい。

なんと恐ろしい人.....!

俺は、そんなサングラスを見て、足元に気をつけた。なんと言うか...こうしてるうちに絡めてそうだと思ったからだ。

無いことを確認した俺は、サングラスの方へ、自分の持てる足の早さで向かう。サングラスの元へ走った。

サングラスは、ようやく長いあくびを辞め、口を閉じながらお、やる気か?と思い、欠伸をしていた左手で涙を拭きながら、

右手を開いて、石橋を視認した。そして石橋を掴むように目元で握る。.....手応えあり。サングラスは、そのまま、思い切り空を握った。

そしてそれは、てっきり石橋かと思った。


しかしやけに硬い無機質な感触だった。


明らかに石橋じゃないような気がしたが、考えるのがめんどくさいのでそのまま握り潰した。


さて、どっかおれたかな?と石橋の方に視線を向けた

が、石橋は、走っていた。それに対しサングラスは、心底、驚き慌てた。石橋に。

―――じゃあなくて自分が今、握り潰した物に対して。







彼が握り潰した物――――それは、探知機だった。

「げっ!」とサングラスは、白目を剥いて後退りをした。

サングラスの脳にはとある人物の言葉が再生していた。

「それ高いから、壊さないでね。精密機械だから、こわしたら弁償弁償弁償...」 

再生した声は、高い声が徐々に低くなっていた。

.....そいつが作った物は、大抵高い。もしかしたら数百万いく代物かもしれない。

いや、さすがにとは思うが、この前あり得ちゃったから。

おかげで暫く、ご飯が麺類だけだった。サングラスは、ふらぁと上半身が揺れたが、

すぐに戻した。

いかんいかん。危うく気絶しそうだった。と目の前を見ると、

既に少年が拳を握りながらこちらの目の前に来ていた。


そして少年は、サングラスが面を食らっている、表情めがけて、パンチを放った。




が、残念ながら、サングラスのサングラスを破壊することはできなかった。

しかしながら、サングラスに右手の平でガードさせた。それだけで十分だった。

サングラスに「生身」でガードさせたという事実さえあれば。

俺は拳を握り勢いを弱めてサングラスの右手の平から抜いた。

石橋は、拳を抜いた体勢からすぐさま戦闘体制崩れた体を戻し、サングラスを見た。

――――サングラスは、眉間にシワを寄せていた。「きさまぁぁぁ」と激昂した。

.....なんだろう。悲哀を感じる....

その理由も露知らない石橋に対して、

サングラスは、石橋にその長い足で、スーツなのに身軽なフットワークで石橋に左足で高く足を上げながら横蹴りを食らわす。

石橋は、右腕でそれをガードした。


が、思った以上に威力が高く。石橋の小さくないけどでかくもない体躯が吹っ飛ばされた。

石橋は、地面に横受け身して、衝撃を抑え、倒れた体勢のまま、サングラスに足払いをかけた。

が、

サングラスは、あっさり、跳ねてかわした。

石橋は、奥歯を噛みしめ、こやつやるな。と思った。

この反撃をかわしたのは今のところこいつも含め二人だけだったのだ。

石橋は、足払いをした格好から、もうひとつの足を足払いをした足に伸ばし、腕を地面について、腰を浮かせた。


この体勢、運動部じゃよくやってるなぁと誰かが思った。

んなことどーでもいい。

そして、腕に力を込ながら足を曲げて一気にたちあがる。サングラスは、それをみて、石橋に対して言った。「そんな無駄な動作意味あったのか?」それについて石橋は、「カッコイイからやったんだ!」と訳のわからない反論をした。

サングラスは、そんな訳のわからん反論を突っ込まずに、へーと頷いた。



石橋は、ファンティングポーズをした。

ボクシングじゃ、お馴染みのあのポーズ。サングラス、いやいや首を振る。そして石橋の背中を押しながら言った。「違う違う体をもうちょっと前傾姿勢に....」「いいから早くやれ!」だれかが言った。

サングラスは、声のしたやつの方向に振り向いたが、誰もが知らんふり。

頭が痛くなってきたのは気のせいだと思いたい。


サングラスは、突然、石橋の足をいとで掴む。石橋は、何かに触られている感覚がして、これが、糸だと気づく頃には世界が逆さまに。

石橋は、プランぷらんと振り子みたいに揺れながら、糸で釣られていた。

おかげで、頭に血が上る。その上、シャツをしまってなかったせいで、上半身丸見え、周りの女子からは歓声、周りの教師からは、怒声が上がった。「あーあ」(校則違反になっちゃった。後で怖いぞぉ)とため息をつきながら思った。

サングラスが放り投げようとしたポーズをする前に、石橋は、慌て、ちょっと待ったぁー!と腕をつきだしながら止めた。

サングラスは、怪訝そうな顔で俺を見た。

俺は、慌て「あ、あ、あんた。異能者だろっ」血が頭に上っているせいかやけにハイテンション。サングラスは、今頃?と言った顔で首を捻る。

「そうだが?」と素直に答えた。

石橋は、突然、笑みを浮かべながら「実はさぁ俺も異能力者なんだ!」と怒鳴った!

サングラスが「なっ!」と驚き、慌て投げる前に、指をぱちんと鳴らした。

「ぬおっ」サングラスが突然右腕に倦怠感が催したのと同時にドスンと石橋が地面に頭から叩きつけられる。


暫く、頭が痛かった。

サングラスは、右手を下にだらんとさせて、「お前、何した!?」と驚きが声にも表れていた。

サングラスは、右手を下げた状態で拳を開いてはー握り、開いては握ったが、感覚が戻らない。雪山で、疲れた頃に現れる寒さの気分だ。

石橋は、笑みが隠せないとにやけながら言った。「あんたの感覚。封じさせてもらったよ。」渾身のドヤ顔で。



兵士は、さっきから、ぽやーんとしていた。先程、石橋に話しかけようとしたが、しかとされた奴である。彼は、(なんか、俺のこと忘れてないだろうか。あのサングラスと若者の喧嘩に皆、釘付けで、俺のこと忘れてないだろうか?

.....忘れないでくれよ!)そもそも俺がこの作戦に参加した理由は、派手にぱーとなにかを面白いことをやりたいからだった。

「はぁっ」兵士と地面に向けてため息をつく。

つまんないから、ちょっとライフルでも乱射しようかな。と危ないことを考えた。

すると、肩をポンポンと軽く叩かれた。

ちらっと振り向くと、難いのいいあんちゃんが笑顔で「忘れてないぜ!」とバットを肩にたてながら、瞼も焼けた顔で目をパッチーンとウィンクした。

後ろには様々な人がいた。固そうなバレーボール、殴りやすそうな、ボクシンググローブ、打ちやすそうな、テニス部エトセトラ。


そう。皆大好きTHE部長軍団が気づいたら彼の周りにぎっしり。


肌が焼けたサッカー部、足が固そうなロードレース部、頭がよさそうなクイズ研、ライトセーバーをもったオタ研、棒を持ったクリケット部、碁石、将棋の駒、大きな碁盤を持った将碁研、エトセトラエトセトラエトセトラ.....


「みーんな君のこと忘れてないぜ☆」

という言葉を合図に、兵士は喜びと痛みの悲鳴を上げた。「ぎぃやぁぁ....」



「感覚を封じる...」

「詳しく言うと感覚に足したり引いたりする能力だ。名前は、変感!」

「センスの欠片も感じられんなぁ」

「なんだと!」石橋は、かっとなった。

はじめてこの能力を見たとき1日かけて考えた名前だった。

原文は、長くてカッチョ良く、略せば、短くて覚えやすい名前だと自画自賛していた。

自分には、センスがあるんだ!そう思っていたが.....

石橋は、床に手をついて項垂れる。

なんてしている場合ではない。というか今までふざけすぎた。そろそろ真面目にやらないと

俺は、そう思い顔をあげ――「ぶっ!?」

体がふわぁと宙を浮いた。

「いっつーー!」

黒眼鏡が思い切り俺の頭を蹴りあげたのだ。俺は、患部を押さえながら、素早く立ち上がった。

黒眼鏡は、左手袋を閉め直していた。黒眼鏡は、俺の顔を見て言った。

「お遊びはここまで―――ここからは、本気でお前を殺しにかかることにするよ。」サングラスごしでも分かるほど厳しい眼力だった。

「何で、突然――!」俺は、頭を押さえながら言った。

黒眼鏡は、「残念だが、事情が変わった。」

「何故?」俺はそう聞いた。彼は、俺の手を見た。そして自分の右手を左手で擦りながら「お前が異能者だとわかったからだ。」俺を視界に捉えながら言った。

「でも何故突然――」

「私の任務は、2つあった。あのじいさんの護衛そして――」

少し間を置いて口を開いた。「異能者の調査なんだよ。」何を言っているんだ?俺は、首を傾げた。彼は、言った。

「知っているか?異能者と言うのは数少ない。都市伝説といわれるほどにな。...まぁ知ってるかもしれんが。だが、近年、異能者の数が増えてきた。理由は、不明。本当に突然増えた。この大きな町でも「俺たち」を除けば十人ぐらいしかいなかったのがだ。おかしいだろ?それがいまでは、この町だけで推定100を超えていると思われる。」「100!?」俺の声は、声を荒くなった。100人。それがどうしたと言うかもしれないが。確かに、人口だったら100人程度少ないぐらいだ。しかし、異能者が100人は、少し多すぎる。

本来、我々異能者は、世界常識からは、常に異端と言われる存在だった。

 もしも100個の白い卵があったとする。

どれも平均的で健康な卵だ。

しかし、その中に、黒い卵があったときどうする?

育てるだろうか?食べるだろうか?

答えは、どちらでもない。恐らく誰もがこの「選択」をするだろう

そう「気味悪がって捨てる」が正解である。

黒い卵は、中身は、もしかしたら腐っているかもしれない。もしかしたら寄生虫でも入っているかもしれない。だから誰もが中身を気持ち悪くて捨てるだろう。

我々も似たような存在だ。もしも、自分が 黒い卵を手に入れたとき多分捨てると思う。

異能者は、そんな悲しい存在だ。



「そして、その黒い卵が増え続けているのだ。

これは、何かを予兆するものだと私は、思い、あのテロリストに潜入していた。だから.....」

「俺と戦う理由などない....そう言いたいのか?」

サングラスは、ゆっくり頷く。しかし首を振って俺は、怒鳴る。「ふざけるな!ここまでしておいて、易々はいそうですかと許せるはずがないだろう!」

サングラスは、ため息混じりにこう答えた。

「そうだな。自分の大切な母校を荒らされて、許せるはずないよなぁ。

....だが、今のこの状況でお前が勝てる要素などないだろう。」

俺はサングラスを睨み付けながら怒鳴った。

「そんなことやってみなくちゃわからない!ーー。」

俺は、足をあげながら駆け出した。





香取は、ポカンと彼らを見ていた。観戦していた。


ほんとだったら一緒に戦いたい。

だが、自分がやった所で足手まといにしかならないだろう。


僕は、そんなことを思いながら、わたるたちを見ている。

僕は、下から何かに引っ張られているような感覚がしたので下を見ると、男子生徒が制服の裾が引っ張られていることに気がついた。

とある男子生徒が、意地が悪そうな顔でこちらを見ていた。


「なぁ、お前、ロッカーに隠れていたのってほんとか?」僕は、無言で頷く。

すると、男子生徒は、

「なんで、アラームがなった時、ついてこなかったんだ?」

僕は、返答に困った。 

渡のように腹がいたくてトイレに隠れていたわけではない。

ただ、とある学校一のヤンキーに追いかけられていて、

たまたま、ロッカーに隠れていた。

抵抗せずに、隠れていた。

しかし、ただビクビクしながら隠れていたなんて言える勇気、僕にはなかった。...恥ずかしくて。

男子生徒は、僕が答えるのを渋るのに業を煮やし、

口を開いた。「もしかして、あの不良?恐かったのか?そういや、ずっと追いかけられていたもんなぁ!」

はははと男子生徒は、笑うながら大声で言った。

周りがこちらを見る。



.....怖くなかったと言うと、嘘になる。

そもそも彼に追いかけられた理由は大したことはない。

ただ、彼のペンダントの鎖を引っこ抜いてしまった。

それに対して、彼が何をするんだと怒った。それだけだ。

しかし僕は、謝りもせずに逃げだしてしまった。


彼は、てっきり謝るのかと思ったが、全く予想外だったという顔でこちらを見た後やはり僕に向かって追いかけた。

結局捕まりはしなかった。

.....そう。僕は、謝りもせずにただ、現実から目を背けて、逃げ出したのだ。

今回、追いかけられた理由も全部、僕が悪かったのだ。逃げ出すというのは、

その場しのぎにしかならない。

むしろ、逃げ出すほうが後々、もっと巨大な何かに成長して、そして、最後にやって来るのは、「絶望」だけなんだ。

すると、後ろから、何かが叩きつけられた音がした。振り向くと石橋が頭から落っこちていた。

「わたるぅ!」

僕は、石橋の方へ走ろうとした。

だが足が動かなかった。

足が紐で縛られているような...そんな感覚。

男子生徒はにやにやしながら言う。

「あはは。石橋の奴ひっくり返ってんじゃん。

だぁいじょぉーぶぅー?」彼は、僕らのために必死で戦っている石橋を茶化した。

僕は、思わずかっとなり彼の首の襟を掴んだ。

男子生徒はその行動に驚いた。

僕は男子生徒に対して「僕達の為に戦っているのに何てことを言うんだ!」と怒鳴り――――つけたかった。

だけど、声が出なかった。なぜだろう。と思ったがすぐに分かった。

(自分なんかがそんな偉そうなことを言う資格などあるのだろうか?)

男子生徒は「離せよ。」と僕を勢い良く押した。

僕は、床に尻餅をついた。

男子生徒はふんっと鼻で笑った後言った。

「何もできないくせに何をやってるんだ?」

そう言って、彼は、唾を吐くと床に座った。


そうだ、何をやってるんだろう。僕は。

何も、何もできないくせに。できなかった癖に、ビクビクとヤンキーに対して、謝ろうともせずに、テロリストと戦おうとするのも、人を頼って、自分という人間は、何もできずに何もせずにビクビクとビクビクとーー!僕は、結局行動せずに!僕は、そう、思った。

すると、また後ろから怒鳴り声がする。この声はーー


「そんなこと、やってみなくちゃわからない!!」

石橋の声だ。

石橋は、駆け出していた。ただ、

ただ真っ直ぐに自分と今戦うべきものに向かって。


そうだ。何を思い悩んでいたのだ。

まず、何かを始めようとすること。

それが何事の始まりだ。

僕は、石橋を見た。


石橋は、サングラスに対して、横で勢いよくけりを入れたが、サングラスの足でとめられ、さらに、石橋の制服の右足のズボンの一部と上履きが切り裂かれた。「ぐっ」

ズボンの一部がひらひらと舞い落ちた。

石橋は、痛みに対して堪えながらも、決して床に手をつかずに体勢を整えながら、サングラスを見ていた。

その目にはまだ焔が灯っていた。

だがいつまで続くか。


....恐らくもう、石橋ができる策は、無いだろう。


....ただ突っ込むことしかできない。

香取は下唇を噛んだ。

何を考えているのだ!僕は!それはあくまでも

「自負一人でできること。」にしか過ぎない!

誰かの手を借りれば、

でも誰の手を.....

僕は、後ろを見た。

人に頼ることしかできない生徒と先生。

よく見ると、難いのよい人達が、テロリストの一人をボコボコにしているがーー。

でも誰も戦おうとはしなかった。

怖いのである。

きっと石橋に手を貸せば、痛みを伴うだろう、

リスクがあるのだろう。

皆リスクが怖いのだ。

そしてそれはきっと僕も。

「ぐあっ」

石橋の声にならない悲鳴が上がった。

見ると石橋のシャツの一部が切り裂かれ、切り裂かれた場所から血が出ていた。

だが石橋は、まだ戦おうとしていた。

まだ、目にはあきらめない心があった。


.....何をうじうじしているのだ。僕は。

痛み?リスク?そんなものなんだってある。

恐れるな。前を向け。

僕は、そう心で言った。

そして....

前へ一歩踏み出した。

次回!次回こそ

バトルをおわらせてみせる――――ッ!!

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