占拠事件の1
プロローグ的な。
7月の中旬の真夏日のことだった。 今日の最高気温は、34度と今年の東京の最高気温を記録した今日。 俺は、ムンムン暑苦しいのをこらえ、トイレにいた。何故トイレにいるか? それは、水をがぶ飲みしたせいだ。おかげで元々あまり腹が強くない自分は、腹を壊してしまい、わざわざこんな暑苦しいのを我慢してトイレにいるのだ。 全くトイレの個室というのは、どうも熱気がこもりやすく、しかも窓のない個室を選んでしまったせいで、ただえさえ暑いのがますます暑くなってしまった。おかげでズボンが汗でずぶ濡れになるくらい、少なくとも濡れているなと一目で見ても良く分かるくらい濡れている。挨拶がすんばらしい学校は、小学校でも中学校でも言っていた。 そこしか褒めるところがないのかというくらい言っていた。 あえて言うなら文化祭だろうか.... いやいや! 違う! 自分がいま考えたいことはそんなことじゃない! ああもう! どれもこれも暑さのせいだ! ならいっそのこと個室を出ようか!出すもんは、出したしもうここにいる理由はないはず! 「よし!出よう!」と俺は決心すると、 俺は暑さもここにいた理由も吹き飛ばすような大きな声で言い、勢い良く起立をしてトイレのレバーを思い切り押しながらズボンを履いて、トイレのドアを開けて手をびしゃびしゃと洗ったあと、トイレを出た! 俺は廊下の涼しさを味わい、誰もいないことを確認してから、スキップらんらんしながらクラスに向かおうとしたところ、 「おい!こっちから声がしたぞ!」とどなり声が聞こえた時、俺は、スキップを辞めて、廊下を勢い良く声がする方の反対側を走った!俺が階段の反対、東階段から中央階段の方に向かっている最中、「そいつ」は、その手に持っている黒くて物騒な物を構えて引き金に手をかけた!後ろを見なくても何となくやっていること分かるので、一気に中央階段の踊り場に曲がった、その瞬間! パンっと発砲音がなった。弾は俺には当たらずもう一つむこうの壁に当たり壁をへこませた。そして俺は忘れていたことを思い出した。 そう。何故トイレに暑苦しい思いをしてまで隠れていたか。それは平凡な学校に非凡な連中がやって来て学校を占拠してしまったからだった。俺はその時のことを思い出した。