恋愛革命93
エリートや要人の子息が集団虐めに会い自殺しても、エリート中心主義の教育システムは永遠の矛盾を孕み、変わらないのさと、サラリーマンは言った。
サラリーマンが息をつき続ける。
「だから正統派王道英才教育から鑑みても、教育に差別偏重は欠かせないものだから、変革は有り得ないと言う事なのさ。うがった話、教育から差別偏見の構造意識を抜いたら、階級意識、エリート中心主義が崩壊してしまうしな。そんなのは国家の威信にかけて無理な話なのさ」
ホスト亭主が糾す。
「それではエリートが集団虐めを再生産して、己の子息さえも集団虐めのターゲットにされている珍現象を生むじゃありませんか。だからこそ社会問題に発展しているのですよね?」
サラリーマンが再度嘲笑った。
「それが憐れな人間存在の矛盾。どうしようもなさだろう。例えば要人の子息が集団虐めに会い、鬱病になって自殺しても、エリート擁護の教育システムは変わらないのさ。馬鹿な話だがな。それが現実なのだから仕方ないのさ」
ワンレンの女子大生が尋ねる。
「人命尊重よりも、差別化中心の英才教育やエリート意識を取るという事ですか?」
サラリーマンがワンレンの女子大生を指差し言った。
「ピンポン、正にその通り。例えばその選択で、自分の子供が死んでも、重く老朽化したエリート中心主義の教育システムは変わらないわけだ。と言うよりも、一国の宰相が死んでも変わらないのさ。絶対にな」
講師がサラリーマンを促す。
「続けて下さい」
サラリーマンが相槌を打ち続ける。
「つまり権力は密の味なのさ。地位も名誉も富も全て思いのまま。例えば宰相ではなく元首が死んでも、その矛盾し老朽化したシステムは変わりようが無いのさ。エリート万歳主義だからな。憐れなものさ」




