表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/165

恋愛革命87

祖母はお地蔵さんのように優しく、死ぬ間際には、日本人も朝鮮人も無いよと言っていましたねと、ホスト亭主は言った。

ワンレンの女子大生が尋ねる。





「失礼ですが、お母さんは?」





ホスト亭主が神妙な顔付きをしてから答えた。





「母は父と離婚して、既に亡くなりいません」





女子大生が同情を禁じ得ない目付きをしてから、敢えて尋ねた。





「何故夫婦別れしたのですか?」





ホスト亭主が遠くを見詰める目付きをしてから答えた。





「父がギャンブルに狂って浮気をし、母は逃げ、だから自分は祖母に育てられたのです」





女子大生が会釈してから言った。





「すいません。こんな事まで尋ねて良いか分かりませんが、お父さんとは今でも連絡とかは取っているのですか?」





ホスト亭主が答えた。





「いえ、縁を切りましたから、今何処にいるのかも分かりませんよ。ただ…」





「…ただ?」





ホスト亭主が答える。





「ただ、親父はどう考えているが分かりませんが、祖母は死ぬ間際には日本人を憎んではいませんでしたね。お地蔵さんのように優しく、日本人も朝鮮人も無いと言っていましたから。その影響で自分も日本人に対する差別意識は殆ど消えたのですが、母を失い寂しい少年時代を過ごした、根本原因である、世の中に蔓延する差別偏見、蔑視の構造意識を、自分は心から憎んでいるわけです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ