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恋愛革命83

国家の威信に逆らえば、国家反逆罪になるぞと、サラリーマンは言った。

サラリーマンがほくそ笑む。





「つまり俺はこのセミナーでは孤軍奮闘を強いられるのだが、世論を味方につけている、言わば俺が世論なのさ。だからお前らは素直に負けを認めれば良いということさ」





ワンレンの女子大生が言う。





「まだ結果が出ていない以上、私は負けを認めたりはしません」





ホスト亭主がその意見に迎合し、相槌を打つと、お下げの女子大生もそれに倣って相槌を打った。





サラリーマンが余裕の程で、不敵な笑みを湛え言った。





「保守層が何故反対しているのかというと、その骨子は簡単に説明出来るわけだ。つまり根拠もない史実改訂記載など内外に恥をさらすだけという論評なのさ。後世の民だけではなく、この国の国民は内外に対面を保ちたい。所謂国家の威信というやつさ」




ホスト亭主が反論する。





「史実において、その間違いを正し、的確な史実を把握改訂、教科書に記載する事が正に国家の威信だと、自分は思いますが」





サラリーマンがうそぶく。





「国民の無知蒙昧さなど、国は内外に発信したくはないわけさ。だから、この問題はもう決着がついたも同然なのさ」





ワンレンの女子大生が反発する。





「私はそんなの納得が行きません!」




サラリーマンがワンレンの女子大生を詰る。





「国家の威信に逆らったら、お前も売国奴に成り下がるぞ?!」





ワンレンの女子大生が反論する。





「私は国家反逆者になっても構いません。間違っているものは、間違っているのです。それを正す事は真の意味での正義だと思います!」




サラリーマンが断じる。





「つまり保守層及び国民はその総意を以って、心の美よりも、国家の威信を取ったわけさ。それがこの国の総意なのさ!」





ワンレンの女子大生が論駁する。





「まだ総意は決していません!」





サラリーマンがもう一度ほくそ笑み、言った。





「そんなの負け犬の遠吠えさ。馬鹿野郎!」

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