表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/165

恋愛革命81

面白い逆説的誘導尋問ですが、詐欺に使えそうな理論ですねと、講師が言った。

サラリーマンがうそぶく。





「それじゃ文明論から外れて、語彙の意味合に戻そう。ある研究成果を売る売国奴的研究員がいるとする。そいつは母親が鬱病で、親一人子一人の家庭で、企業秘密を売って、医療費を稼いでいるとして、この売りは善なのか悪なのか、どちらだと思う?」




ホスト亭主が答える。





「その企業秘密を売れば良いという発想は安直で、法に触れる悪であり、差別偏見の構造意識に抵触していると自分は思います」




サラリーマンが言う。





「だが、この研究員は母親想いの善なる人間じゃないか?」





ホスト亭主が言う。





「でも法を犯しているのだから、心情的には善でも、やはり悪としか言いようがありませんね」





サラリーマンが微笑んだ。





「ならば差別偏見の構造意識を使って暴力を行使せず人を虐め、ばれない奴も、逆は真で、法は犯していないのだから善だな」





お下げの女子大生が憤る。





「そんなのペテンです!」





サラリーマンが嘲笑った。





「ペテンなものか。この世なんて全て矛盾的理不尽世界であり、善は悪で悪は善ならば、文明論も差別偏見の構造意識論として受け止められるではないか。すなわち文明肯定論こそが、差別論の結末を示唆する最高の理論なのさ。違うか?」




お下げの女子大生がヒステリックに喚いた。





「そんなの詭弁です!」





サラリーマンが講師を促す。





「あんたはどう思う?」





講師が感想を述べ立てる。





「面白いひねりの効いた逆説ですが、詐欺に使えそうな誘導尋問ですよね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ