表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/165

恋愛革命8

現代社会では集団虐めをした者も、された者も、一夜経てばメディアを媒介にして突然変異した後、タレントになってしまう、狂った世の中じゃないか。ならばおいらん虐めもなんのその、したたかに生きるのが一番さと、サラリーマンは言った。

講師が言う。





「売笑をするのは所謂営業スマイルですよね。これは作り笑いですが、商売には欠かせないものだし。皆それを表面上は求めているのに、裏に回っては、自覚無しに蔑んでいる構造があるわけです。それが狂って、捩曲がった差別偏見の構造意識の恐さそのものなのでしょうね」





ホスト亭主が頷いた。




「そうですね。しているけど、実はそうされている恐さだと思います」





講師がしきりに頷き言った。





「売りをする馬鹿女と言うその蔑みが時代を超えて、江戸期のおいらんの純愛さえ侮辱しているのだから、ある意味凄い差別エネルギーですよね?」





講師の言葉を聞いて、サラリーマンがけたたましく笑い言った。





「ほら見ろ。差別偏見の構造エネルギーはセーフティー装置となっているだけではなく、現代人の生命力、生きる活力をも支えているのさ。それは言わば意気地でもあるじゃないか?」





ワンレンの女子大生がすかさず発言した。





「確かに毒を吐き出し、他人を陥れ、傷付けるエネルギーは甚大だと私は思います」




もう一度サラリーマンがけたたましく笑い言った。





「いいじゃないか。教科書には売りという言葉でおいらんを侮辱した現代人は、おいらんの性エネルギーを活用して元気にたくましく、したたかに生きたと記載すればいいのさ」




お下げの女子大生が糾弾する。





「そんな理論は論外ですよね!」





サラリーマンがずる賢く微笑み言った。





「論外なものか。第一、こうやって論戦を繰り広げていられるエネルギーを作り出しているのは、現代人がおいらんを売りのはしためと蔑んでいるからだろう。それは明らかにエネルギーの根源ではないか。素晴らしいバイタリティーではないか。そう思わないか?」





お下げの女子大生が言った。





「そんなの話しになりません。明らかに詭弁です」





サラリーマンがうそぶく。





「詭弁なものか。現代社会では集団虐めをした加害者も、その被害者も、突然変異してタレントになり、じゃれ合っている狂った時代じゃないか。そんな現代社会の中では正にしたたかさだけが物を言うのさ。だから虐められた者は、自分の愚かさを呪い、やけ酒でも飲んで諦めるしかないのさ。違うか?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ