恋愛革命78
私は文明の行く末を、悲観的に捉らえるだけのペシミストではないと、お下げの女子大生は言った。
お下げの女子大生がもう一度論駁する。
「その驕り高ぶりが、文明の退化、及び心の汚れに繋がっていると私は思います!」
サラリーマンが喚く。
「心の腐敗が文明を退化させていると言うのか、お前は?!」
お下げの女子大生が恭しく頷いた。
「その通りだと思います。人の心は文明の進化に反比例して腐敗し、その腐敗の惹起になっているのが、狂った差別偏見の構造意識だと私は断言します」
講師が冷静な面持ちで注釈を入れる。
「狂った差別偏見の構造意識は、人の心を腐敗させ、残酷性と、攻撃性や暴力性を加速させているという事ですか?」
お下げの女子大生が頷いた。
「その通りです」
講師が尋ねる。
「それを変革しないと、文明は取り返しがつかない危機に直面すると、貴女は言うのですね?」
お下げの女子大生が否定する。
「私は文明論を悲観的に論じるだけのペシミストではありません。私が言いたいのは人心の社会システムにおける際限の無い腐敗です。その汚れ、腐敗を形成しているのが歪んだ差別偏見の構造意識であり、それを変革する事は急務だと思っている次第なのです」




