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恋愛革命64
いつもそんな事言わないのに変じゃないと、妻は言った。
胸に秘めた恋心を隠して、ホスト亭主が妻と話をする。
妻が言う。
「セミナーの進行状況はどうなの?」
ホスト亭主が答える。
「まあ順調だけど、こちらの思惑通りに記載がなるかどうかは、予断を許さないな」
「そうなんだ。まあ仕事に差し障りが無い程度には頑張ってよ」
ホスト亭主が相槌を打ち、尋ね返す。
「幼稚園の父兄同伴遠足いつだっけ?」
「来週だけど、出席するの?」
「差し支えなければ俺も行きたいのだがな?」
妻が訝りつつ尋ねる。
「それはぜんぜん差し支えないけど、何急に変じゃない?」
「何が変なんだ?」
「いつも、そんなの行くとは言わないじゃない?」
ホスト亭主がごまかすように一声笑い言った。
「たまには父親として娘孝行しないとな」
眼を細めて、おもむろにホスト亭主から視線を外し、妻が言った。
「あの子、遠足楽しみにしているけれど、風邪でも引かなければ良いけど…」
風邪という語句を聞き、胸の疼きを覚えるが、ホスト亭主はそれをとりなすように返事した。
「そうだよな」




