恋愛革命5
集団虐めを受けたワンレンの女子大生は、自分は全くの被害者だと断言した。
ワンレンの女子大生が発言する。
「私は中学生の頃、所謂集団虐めに遭遇して、鬱病になった口なのですが、やはり陰湿な虐めの手口の中には、キモい、臭い、汚い、うざいは常套句だと思います。集団ではぶいておいて、学校側への発覚を恐れ、陰湿にもすれ違い様にそういった言葉の暴力を小声ではくわけです。その悪意に満ちた暴言は人の心を破壊し、死に追いやる何者でもないと私は思います」
講師が尋ねる。
「あなたも死のうとした口なのですか?」
ワンレンの女子大生が答えた。
「そうですね。リストカットをし始めて、何度そのまま動脈を切って死のうかと考えました」
お下げの女子大生が追従する。
「私の友達は集団虐めに遭い、自殺してしまいました。でも虐めた相手は児童であり、刑事訴追はなされてはおらず、親御さんは未だに彼等の事を恨んでいますね」
サラリーマンが口を挟んだ。
「ちょっと待ってくれ。今の議題は売りについてだろう。話が飛んでしまっているではないか?」
講師が促す。
「いえ、構いません。売りという語句に類推した差別用語の検証ならば、何も問題は無いと思います。続けて下さい」
ワンレンの女子大生が続ける。
「つまり私は、私がこの身に受けた虐めを、時代を遡って、おいらんが受けているという論法を取りたいのです。おいらんは命懸けで美しい純愛を発信したのに、現代人は野蛮にも、その純愛概念を売りという暴言で冒涜している、その事実は許せないものだと私は思います」
お下げの女子大生がワンレンの女子大生をフォローする。
「だからこそ、売りという暴言の言葉の内にある、おいらんを冒涜したその非道性、残忍性を織り込む意味合いでも、売りという言葉は絶対に記載すべきだと私は思います」
サラリーマンが反論する。
「ちょっと待ってくれ。それは確かに現代人にそういった側面はあると思うが、でもそれは言わば世の常識。悪を裁く正義感からなされるものではないか。虐める者がいれば、当然虐められる側にも、その要素があり、責任を加害者ばかりになすり付けるのはひどくないか?」
ワンレンの女子大生が強く反論した。
「私は当時、毎日お風呂にも入り、みだしなみに気をつけて登校していたし、真面目に学業にも勤しんでいました。それなのに、歪んだ差別偏見の構造意識は私を冒涜し、鬱病に陥れたのです。だから私は断言します。私は全くの被害者であり、それ以外の何者でもないのです」