恋愛革命47
集団虐めが人間の本性でしょうと、ホスト亭主は言った。
女子大生が尋ねる。
「お客さんの取り合いでは、やはり背信行為というか、裏切りが多いのですか?」
ホスト亭主が頷いた。
「そうですね。セミナーの議題にも出ていましたが、ヘルプに回って、本指名の客を取る姑息なやり方がありますね」
「でもそれって簡単にばれてしまうでしょう?」
ホスト亭主が頷いた。
「いや、喧嘩覚悟でわざとそれをする手もありますから」
「どういう事ですか?」
「だからバランス良く勢力地図を整えておいて、タイミングを計り、わざと指名客にちょっかいを掛けるのですよ」
女子大生がしきりに頷き言う。
「勝てる喧嘩だと判断した時、ちょっかいを掛けるやり方ですか?」
「そうですね。それが戦略的な虐めの手口の一つになるでしょうね」
「それじゃ、ネットの集団虐めなんかも、店絡みだと、戦略的な虐めの可能性があるのですか?」
ホスト亭主が相槌を打った。
「全部が全部それだとは言えませんが、それも大いに有り得ますね」
「組織的で、計算された戦略的な集団虐めですか?」
「そうです」
「恐いですね」
ホスト亭主が冷静な口調で言う。
「拡大解釈すれば、それがそのまま国際間の紛争にも当て嵌まるでしょう。国際社会での軍略的な挑発は、枚挙に暇が無い状況だし、差別偏見の構造意識をフルに活用したやり方ですよね。それが人間らしいと言えば人間らしいのですが」
「何か哀しい習性ですよね?」
ホスト亭主が言下に言い切る。
「人は野蛮で好戦的な生き物ですから。狂った差別偏見の構造意識に酔って、残忍に弱肉強食、殺戮を愉しむ本性をも持ち合わせていますからね。仕方ないと思います」




