恋愛革命39
無意識に機能している差別偏見の構造意識を、啓発、意識化する事は可能だと、ホスト亭主は言った、
講師が言う。
「まあいずれにしても、まだ結論は先送りにして、議題を部分修正して、バーチャルリアリティーの世界が売りと言う言葉と言うか差別偏見の構造意識に加速度をつけている現実を論じ合って下さい」
ホスト亭主が論じる。
「バーチャルリアリティーが全て駄目だという論調には難があると自分は思います。何故ならば、バーチャルな世界にも、このように現在進行中の差別について論じ合う啓発セミナー形式を挿入する事は可能であるからです」
講師が注釈を入れる。
「つまりバーチャルな世界でも、己の抱いている差別偏見の構造意識を氷解させ、新たに整合性をもたせる事は可能と言う事ですね?」
ホスト亭主が頷いた。
「そうですね。はっきりと言えばそれが純愛革命に結び付く、この教科書改訂セミナーの本来の意義だと自分は思う次第なのです」
講師が頷き言う。
「つまりバーチャルな世界にも、メディアが恣意的に避けているであろう差別偏見の構造意識について、頻繁に載せれば、自己啓発は可能であると言う事ですか?」
ホスト亭主が頷いた。
「つまり教科書を啓発の先駆けとして、恒常的に差別偏見の構造意識をバーチャル世界で糾弾して行けば、意識革命は可能かと」
サラリーマンが反論する。
「差別偏見の構造意識に於ける、現実世界でのセーフティー装置としての機能面を鑑みれば、そんなのは絶対に無理だね!」
ホスト亭主が言う。
「自己啓発して行く上で、差別偏見の構造意識を深く洞察して見極め、常に疑問符を抱き、二面性を持たせれば良いと自分は思いますが」
講師が言う。
「具体的に言って下さい」
ホスト亭主が答える。
「セーフティー装置として差別偏見の構造意識が機能している時も、その意識に客観的な疑問符を持たせると言う二面性ですね。それを慣習化するやり方ですね」
講師が言う。
「無意識に機能している差別偏見の構造意識を、啓発することによって常に意識化すると言う事ですか?」
ホスト亭主が頷いた。
「そうですね」
サラリーマンががなる。
「そんなの無理だ。メディアも各機関も、皆暗黙の了解で、差別偏見の構造意識叩きはタブーとされているじゃないか!」
講師が言う。
「それを今、現在進行形で叩いているのが、このセミナーですよね」




