恋愛革命24
俺は自分の性欲に正直なのが、俺の純愛なのさと、サラリーマンは断言した。
サラリーマンが食い下がる。
「あんたはおいらんの接客術を学びに来ているのだろう。だったらそんなに客を無下にせず、要望に答えたらどうだい?」
お下げの女子大生が言う。
「おいらんという存在は言わばその接客術の達人だと私は思うのです。営業の基本はいつの時代も、真心サービスが基本ですから、そういう観点からも、おいらんは純愛を自分でアレンジ考案して顧客に発信し、そして簡単に閨に入らなかったからこそ、花形スターになれたと思うのです。ですからおいらんを研究している私は、接客術を究めるという観点からも、簡単には落ちません。それだけです」
サラリーマンが苛立つ。
「そんなのは走る馬に人参ぶら下げるやり方と同じじゃないか。もったいぶらないで、ちゃっちゃとやらせろよ!」
「下品な言い方は止めて下さい。私ははしためではありません」
眉間に縦皴を寄せてからサラリーマンが言った。
「でも結局おいらんだって最終的には金で身体を開いたのは現代人と同じじゃないか?!」
女子大生が言い切った。
「いえ、おいらんは現代人とは違い、その接客術の頂点で純愛を貫いたのです。だから尊敬に値するのです」
サラリーマンが開き直った。
「ふざけた事抜かすな。俺は客だぞ。客を粗末にするなよ!」
女子大生が逆らう。
「私は自分の尊厳にかけて、おいらんの純愛概念を死守します」
サラリーマンがからかうように笑い言った。
「おいらんなんか死人じゃないか。死人に口無しで、リップサービスも出来ないのだから、色気もへったくれもないだろうが。それでも何だ、あんたはおいらんのリップサービスになって、俺のをしゃぶってくれるわけかい?」
「下品な事言わないで下さい!」
サラリーマンがにんまりしてから言った。
「下品なものか。俺は自分の性欲に正直なだけで、これが俺の純愛なのさ」




