恋愛革命21
サラリーマンがガールズバーに入り、純愛チューは純愛チューじゃないか。いやらしくなんかないさと、言った。
サラリーマンがガールズバーに入った。
ほろ酔い加減で気に入った子を場内指名する。
くびれの効いた統一衣装であるスーツを纏ったグラマーな子がサラリーマンの脇に腰掛けた。
酔いに任せて、サラリーマンが直ぐにその子を口説きに掛かる。
「アフター先約ある?」
ホステスが答える。
「無いけど、余りがっついた感じは引きますよ」
サラリーマンが笑った。
「そうか、俺がっついた感じかな?」
「いきなりはね、それは引きますよ」
ミラーボールを眩しそうに見つめてからサラリーマンが言った。
「そうだよな。おいらん抱くのに千両だから、ここは安いから、がっついちゃうのかな?」
「おいらん?」
サラリーマンが水割りに口を付けてから答えた。
「江戸時代の遊女のボスだよ。おいらん道中は綺麗じゃないか?」
ホステスが大袈裟に答えた。
「ああ、あのおいらんね。でも私はおいらんじゃないけど、高くつくわよ」
やに下がったサラリーマンが尋ねる。
「いくらならアフター行ける?」
ホステスが悪戯ぽく微笑んでから言った。
「百万円かな」
サラリーマンが思わず口笛を吹いた。
「それは安いな。百回分?」
ホステスが笑った。
「違うわよ。もうヤダー」
サラリーマンが益々やに下がる。
「それじゃ俺がおいらんになって君に純愛チューをしてやるよ。だから付き合ってよ」
「純愛チューなんてなんかいやらしい感じ」
サラリーマンが言った。
「純愛チューは純愛チューじゃないか。いやらしくなんかないさ」




