恋愛革命20
貴方は商売上の純愛を発信して、客を騙すのが仕事だけれども、それについて罪悪感はありますかと、ワンレンの女子大生は尋ねた。
女子大生が尋ねる。
「貴方は、ホストの仕事もおいらんと同じように商売上の純愛を発信すると言っていましたが、今も現在進行中で、それはなされているのですか?」
ホスト亭主が頷き答えた。
「そうですね。宴を共にするのも立派な純愛発信装置ですから」
「こうして会話をするのも、それに相当するのですね?」
ホスト亭主が頷き答えた。
「そうなります。心を開いた会話は純愛の最も根本的な発信装置だと自分は思っていますから」
「嘘偽りがあれば、それは純愛にはならないと?」
ホスト亭主が頷いた。
「それは正しくその通りだと思います。騙す意図などが見え隠れしているのは純愛なんかじゃ絶対にありませんね。ただ騙すのが上手ければ、えせ純愛でも、純愛になってしまうわけです。残念ながら」
女子大生が尋ねる。
「貴方は私を純愛を演じて騙し、お金を引くのが仕事なのですね。それについて罪悪感はありますか?」
事務的な感じでホスト亭主が答えた。
「人間として、その罪悪感は常にありますが、仕事ですから仕方ありません」
「そんなものですかね?」
ホスト亭主が言い切った。
「そんなものでしょう」




