恋愛革命17
何だっていいのです。私が恨みを晴らせればいいと、ワンレンの女子大生は言った。
ホスト亭主が言う。
「恨みを晴らす事が、心の浄化に繋がる?」
女子大生が頷いた。
「そうなりますね」
ホスト亭主が言う。
「でも、それは騙しの手練手管に対する恨みならば、男を恨んでいる事になり、虐められた事の恨みは消えませんよね?」
女子大生が答える。
「何だっていいのです。場当たり的に直感に任せて恨み晴らし出来れば」
ホスト亭主が面白がる。
「怒りの爆発に任せるのではなく?」
女子大生が頷いた。
「そうです。私がとにかく恨みを晴らせば、その向こう側にいい恋愛があると感じているのです」
「面白い感性ですね?」
女子大生が微笑んだ。
「私はこういう子なのです。鬱病が形成している性格だから、妙に悲しいけれど、仕方ない」
ホスト亭主が尋ねる。
「じゃあ、恨みを晴らした後も、悲しみは残っているのかも?」
女子大生が頷いた。
「そうですね。それが私のいい恋愛なのかもしれないし」
「悲恋ですか?」
「そうですね。いつも悲しみの中にいたいのかも。それが私のいい恋愛だったりして」
ホスト亭主が引き攣ったように笑った。
「悲しいけれど、面白い恋愛ですか?」
女子大生が憂いを湛えて微笑み頷いた。
「そうですね」