恋愛革命164
ホスト亭主は深くため息をついた。
ホスト亭主は考える。
ワンレンの女子大生と交わしている恋愛を仕事と捉らえると、自分に選択肢は全く無いと言える。
相手の言いなりになるしか手は無い。
別離の可能性の方が当然高く、それに異存は唱えられないのだ。
それは当然の帰結と言える。
翻ってワンレンの女子大生が続行を唱えた場合、それは取りも直さず、女子大生の鬱病再発の可能性が高まることになる。
それだけは絶対避けなければならない事柄だが、やはり選択肢は自分には無い。
そしてもし続行となれば、ワンレンの女子大生を深く傷付ける可能性は逆に高まるのだが、当面は別れずに済む。
それはホスト亭主の募る恋心からすれば僥倖と言えるのだが、自分はそれを望んではいけない立場なのだと、ホスト亭主は自分に言い聞かせる。
辛い。
本当に辛いとホスト亭主は思う。
別れが目前に控える今、恋心は逆にどんどん募るばかりだ。
胸がかきむしられるように疼き痛む。
妻はパートに出ていて留守だ。
それを見計らうように、ホスト亭主は煙草に火をつけ、深く煙を吸い込み、吐き出してむせ、咳込んだ。
そんな自分が堪らない程情けなく、ホスト亭主は滲む涙を人差し指で拭い、深くため息をついた。