恋愛革命161
反対派の言論の自由なんて、子供達の未来に比べたら、エゴイスティックで瑣末な事なのよ。そう思わないと、妻は言った。
ホスト亭主に妻が言う。
「とにかくこれは第一歩よね。差別偏見の構造意識は捩曲がっている上に膠着し切っているから、完全勝利はまだまだ先の話よね」
ホスト亭主が頷いた。
「そうだな。闘いはこれからだろうな…」
妻が続ける。
「これは集団虐めとか虐待を完全撤廃する為の闘いだけれども、暴力革命ではなく、理念による闘争だから、闘いはどうしても熾烈を極め、長引くと思うの」
ホスト亭主が頷いた。
「俺もそう思うよ」
「でもこの闘いは、言わば親が子を言われなき誹謗中傷、暴力から護る為の闘いだから、負けるわけには行かないのよ」
ホスト亭主が恭しく頷き言った。
「そうだな。子供達の未来がかかった闘いだからな」
妻が言い切る。
「私に言わせると、反対派の言論の自由なんて、子供達の未来に比べたら、エゴイスティックで瑣末な事なのよ。そう思わない?」
ホスト亭主が相槌を打ち、言った。
「俺もそう思うよ」
妻が紅茶を一口すすり飲み続ける。
「研究セミナーは、言わば私達親の子供を護るセミナーなのよ。だからあなたには反対派に絶対に負けて欲しくないの」
ホスト亭主が深呼吸してから姿勢を正し頷いて言った。
「俺も力の限り頑張るよ」