恋愛革命16
虐められた忌まわしい過去からも解放されて、いい恋愛をしたいのですと、ワンレンの女子大生は言った。
ホスト亭主が言った。
「遊ばれたのですね?」
女子大生が頷いた。
「ええ、そうだと思います」
ホスト亭主はハイボールには口を付けず、水の入ったタンブラーを口に運び一口飲んでから言った。
「今でも恨んでいるのですか。遊ばれた事?」
女子大生が頷いた。
「恨んでいますね。誠実そうに告って、優しくプレゼントをくれたり、遊園地に連れて行ってくれた楽しい思い出もあるのですが、それは全部身体目当ての騙しだったのですから…」
ホスト亭主が息を一度吐き出してから言った。
「よくある手口ですね。そういう奴がおいらんを最も侮辱しているのですよ。同じ騙すならば、自分で考案した恋愛論を使えばいいのに、全部おいらんからのパクリですからね。能無しと言うか、許せませんよね。実際問題?」
女子大生が頷き言った。
「そうですね。だから私、恋愛アレルギーになったのを治す為にセミナーに参加したのです」
「治りそうですか?」
「それはまだ分かりませんが、でも過去の恨みを消せたらいいなと、思ってはいますね」
「何故ですか?」
女子大生が眼を細めてから答えた。
「私はまだ若いし、虐められた忌まわしい過去からも解放されて、いい恋愛をしたいのです」