恋愛革命152
まるで右対左の雛形的論争になっていますねと、ホスト亭主は言った。
セミナー会場での戦略ミーティングがなされる。
サラリーマンが言う。
「膠着し切った差別偏見の構造意識を、言論の自由という金科玉条が塗り固めているのだから、反対派の懐柔は無理だと俺は思う」
講師が言う。
「何かしらの突破口はありませんかね?」
ホスト亭主が答える。
「表現の自由、言論の自由を死守する文化人も多く、差別用語に抵触する事柄に対する、神経質とも言える反応が見受けられますね」
講師が頷き言う。
「差別用語だという判断の本に、表現の自由、言論の自由が戦前のように弾圧される事を恐れているのですね?」
ホスト亭主が頷いた。
「そうですね。まるで右対左の確執のような様相を呈していますね」
講師が腕を組み言う。
「言論の自由は左派が死守し、それを反動右派が切り崩そうとする雛形的論争ですね」
ホスト亭主が頷き言った。
「ネット中傷の自由さえも、拡大解釈して言論の自由という枠組みに入れ、それを左派が死守、ガードする形に、皆便乗しての反対派というところですね」
講師が言う。
「情けに訴えての懐柔は無理かと?」
ホスト亭主が頷いた。
「そうですね。言論の自由を標榜する思想団体、組織ぐるみの反対勢力ですから。抵抗は草の根運動まで及んでおり、メディアもそれに便乗している始末ですね」
腕を組んだまま講師が頷く。
「そうですか。それならば結構有力なメディアを味方につけて、運動を展開しないと勝ち目はありませんね?」
サラリーマンが答えた。
「俺はそう思うよ」