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恋愛革命14
女房とはすれ違いなのですと、ホスト亭主は言った。
同伴という形を取れたので、ホスト亭主は喜び、その旨女子大生に礼を述べた。
女子大生が恐縮した後、店に入る前の話しを蒸し返す。
「やっぱり奥さんの理解を取るのは大変なのですか?」
ホスト亭主がハイボールを手早く作り、女子大生の手元に細やかな手つきで差し出してから、言った。
「そうですね。女性相手の仕事ですから、やきもきを妬かないと言ったら嘘になりますが、金で割り切るしか無いという形ですね」
「生活の為ですか?」
ホスト亭主が頷いた。
「そうですね。生活の為です」
「お子さんは男の子、それとも?」
「女の子です」
「小さいのですか?」
「ええ」
「奥さんとは共働きなのですか?」
「そうです」
「それじゃすれ違いですね?」
ホスト亭主が頷いた。
「そうですね。だから家内が風邪など引くと、その晩は子供に添い寝してやりたいのですが、仕事があるからそうもいかなくて」
感心した感じで女子大生が頷き、言った。
「大変ですね」