恋愛革命139
恐れないで下さい。私はただ差別意識から脱却して、人を蔑まない別の角度の優しさを持つ、その事を奨励しているに過ぎないのですからと、ワンレンの女子大生は言った。
言論の自由対差別意識変換理論の攻防戦が展開して行く。
反対派が書き込む。
「例えば、改訂がおいらんの純愛概念尊重だけに留まったとしても、それを契機に学校の授業で必須科目として差別用語の再検討が徹底的になされる事は眼に見えているわけだ。すると現象的に差別用語の拡大解釈は必ずなされ、それはそのまま言論弾圧、言論の自由を妨げるは必定であり、そんな事象は喚起する前に撲滅するしかないと考えるが、如何か?」
お下げの女子大生が応戦する。
「言論の自由を擬して、それが言葉の暴力ならば、それは自由意識の氾濫、横暴であり、言葉の暴力で人を殺す事は、犯罪になりにくい分、自由意識の傲慢でエゴイズムの昂揚でしか無いと思います」
反対派は引かない。
「ならば、改訂方法に制約をつけてはどうだ。学校の授業で差別用語を学習しない方向性で行けば良いのだ。そうすれば、史実は改訂されるが、言論の自由は脅かされないからな」
ワンレンの女子大生が尋ねる。
「その場合、売りという語句は使用しても宜しいのでしょうか?」
反対派が答える。
「いや、そこは売春概念としてもらいたい。売りという語句を入れると、新たなる差別用語の再検討が臭うからな」
その反対派の意見を由としない、別の反対派が物申す。
「いや、絶対駄目です。あくまでも白紙撤回の方向性で行かないと、表現の自由、言論の自由は弾圧されます!」
ワンレンの女子大生が言う。
「恐れないで下さい。私はただ差別意識から脱却して、人を蔑まない別の角度の優しさを持つ、その事を奨励しているに過ぎないのですから」