恋愛革命136
表現の自由弾圧、言論の弾圧に繋がるのではないかと、反対派は言った。
ホスト亭主が反対派の書き込みに眼を通す。
その書き込み曰く。
「史実改訂した後に、差別用語の再検討をすれば、それは取りも直さず、言論の自由弾圧に繋がり、恐怖政治の幕開けを迎えるのではないか?もしそうなったら国民の主権を脅かす由々しき問題に発展するやもしれず、私は民の主権を護るべく断固反対の姿勢を貫きたい」
それに対してホスト亭主が書き込みをする。
「差別用語の見直し、改訂は捩曲がった差別用語に向けてのものであり、例を挙げれば、今般改訂の事由になっている、時代を遡りおいらんを侮辱した売りという俗語の是正となるわけです。そのような俗語、卑語に対する是正であり、それがそのまま角度を変えた、優しい物の見方の再教育となり、けして言論の自由弾圧には繋がらないと、自分は思います」
それに反対派が反論する。
「その是正がひいては、他の言語に難癖をつけて、差別用語化し、表現の自由を奪う事由になるわけじゃないか。言語の解釈の仕方などいくらでもごまかせるではないか。それが言論弾圧に繋がる兆しとなるならば、民主主義の危機に繋がってしまう危険性をもはらんでおり、卑語、俗語などに眼を向けて問題視するのは遺憾だと私は思うが、如何か?」
その意見に対してホスト亭主が反論する。
「ある俗語に差別されて、それが理由で病み自殺する者が出れば、その俗語及び差別用語は言葉の暴力として見直しするのが筋道だと自分は思います」
間を置き反論がなされる。
「それはその通りだと思うが、言語の乱れを正す行いは往々にして、拡大解釈を生み、差別用語の解釈拡大に結び付き、それがそのまま表現の自由、言論の自由弾圧に繋がる恐れがあると、私は言いたいわけだ。如何か?」
ホスト亭主が書き込む。
「角度を変えた優しい思いやりの思弁を言語に与え、慈しむ心意気を込める事は、日本語の乱れを是正し、美しい日本語のいんを後世に残す事に繋がると、自分は思います」
それに対する反論がなされる。
「権力は言論の解釈を、時勢、今般の体制に準じてするものならば、その解釈に信憑性はなく、そのまま言論の弾圧に繋がる可能性を秘めているのではないか。如何なるものか?」