恋愛革命135
とにかく各自、反対派の不安感を払拭して行きましょうと、講師は言った。
講師が言う。
「後は礼節第一を謳い上げ、質実剛健を併せて、伝統的な優しさ思いやりを基調とした日本古典文化への回帰を書き込みましょう」
サラリーマンが言う。
「でも質実剛健、富国強兵と来れば、どうしても右傾化への道のりが臭うよな。やっぱり」
講師が言う。
「いや、それは国単位で言えば必然だと思います。国家には国家の仕事があり、質実剛健、富国強兵の名の元に内憂外患に当たれば良く、民間サイドは、地蔵信仰を基調とした思いやり、優しさの伝統的文化を重んじれば良いと思います。はい」
サラリーマンがにやけて言う。
「俺はどうも日和見主義者だから、きな臭い右翼は苦手なんだよな。戦争始まったら逃げちゃうよ、俺」
講師が笑い言う。
「日和見主義者でも人を思いやる事は出来るのではありませんか?」
サラリーマンが苦笑いしてから答えた。
「そりゃあ出来るよ。戦場行って人殺すよりはたやすいしな。臆病な俺でもそれは出来るわ」
サラリーマンの言葉を聞いて、セミナー会場が笑いに包まれた。
講師が言った。
「とにかく各自、反対派の不安感を払拭して行きましょう」
ホスト亭主が頷き、全員がそれに続いた。