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恋愛革命127

その証拠に性の概念も手枷足枷をされて管理されているけれど、皆その淫靡性を愉しんでいるじゃありませんかと、ホスト亭主は言った。

サラリーマンがいきり立つ。





「おい、ちょっと待ってくれ。あんたの言葉では差別偏見の構造意識が階級闘争の道具として、お上が恣意的に行使しているように聞こえるじゃないか?!」





講師が頷く。





「その可能性もあると私は言っているわけですよ」





サラリーマンが怒鳴る。





「可能性もへったくれもあるか。差別偏見の構造意識を放置してお上が下々の者に争いを仕向けているのならば、その恣意性故に、差別偏見の構造意識なんか絶対になくならないぞ。下々の者達は疲弊するだけではないか。違うか!」




講師が言う。





「疲弊せずに、体制側から言わせれば、あくなき争い、階級闘争がエネルギー源になっているならば、階級闘争こそが肝腎な事から目を逸らせる操作術と言えますよね。革命を回避するための差別偏見の構造意識は、言わば国民の目をごまかす善なる概念、道具という事になるわけですよ」




ホスト亭主が加わる。





「各時代の体制は、国民の不満を階級闘争でごまかして来た歴史がありますからね。内乱を治める為に、外患の脅威を謳い上げるやり方は、初歩の大衆操作術と言えますから」




サラリーマンが憤る。





「おい、それじゃ俺達も単なる玩具、道具という事になるじゃないか!」





ホスト亭主が言う。





「そんなのは今更驚くに値しませんよね。国家とてお上と下々という二元論で成り立っているのですから、下々は管理され搾取されて当たり前であり、それを苦痛と自覚しない程度に、我々は飴と鞭を与えられて生きているわけですから。その証拠に性の概念も手枷足枷をされて管理されているけれど、皆その淫靡性を愉しんでいるじゃありませんか?」




サラリーマンが自嘲ぎみに笑い言った。





「それじゃ、ネット中傷も、集団虐めも虐待も全てお上が恣意的に放置して、体制維持に繋げているのか、おい?!」





講師がおもむろに頷き言った。





「そういう側面も当然あるかと言う事ですよね」





サラリーマンががなる。





「お上が下々の心の汚れを望むならば、こんなセミナー意味をなさないではないか。心の美もへったくれもないわ!」




ホスト亭主が言う。





「本来至高のものである筈の心の美を損なった、その積年の怨みを晴らすべく、このセミナーはあるのですよね?」

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