恋愛革命123
存在理由を賭けたクレーム嵐が、今のネット炎上の理由ですよねと、教授は言った。
講師が尋ねる。
「しかしどうでしょう。売りという語句を記載して、差別意識は変わるでしょうか?」
教授が答える。
「それは劇的に変わるでしょうね。論理的に破綻がありませんからね」
講師が再度尋ねる。
「でも、どうしてもクレームは避けられないという事ですか?」
「それが保守というものでしょう。謙譲の美なんかありませんからね。何かしらの文句を言うのがトレンドだし」
講師が頷いた。
「そうですね」
教授が続ける。
「どんな邪道なものでも、クレームが力ある人のものならば、正論になってしまうのが世の中ですから」
講師が頷いた。
「正に泥沼のごとしですか?」
教授が頷いた。
「力のバランスを常に食い破ろうとする、目茶苦茶なクレーマーの時代ですよね?」
講師が頷いた。
「そのクレームも全て差別偏見の構造意識がベースになっているならば、そのベースが変革されたら、クレーム自体が空中分解してしまいますよね?」
教授が苦笑いしてから言った。
「そうですね。クレーム社会を根底から支えている差別構造は、堅牢なるものであり、金銭づくの部分に触れなくても、差別偏見の構造意識自体が、存在理由をかけて変革を嫌っているのが、今のクレームの実態でしょうね」
講師が笑い言った。
「言わば、差別意識の存在理由を賭けた逆襲がフル動員されてのクレーム嵐ですか?」
教授が冷笑して頷いた。
「そうですね。皆自分の権利だけを主張して、謙譲の美意識なんかありませんからね」