恋愛革命120
本当に綺麗と、ワンレンの女子大生は言った。
ワンレンの女子大生が言う。
「今この素敵な優しい時間はあなたと私の共有する一時で、それは紛れもなく、私とあなたの思い出であり、それはやがて忘却される運命だけれども、何者にも変えがたい私とあなたの時間だと、私は思うのです」
ホスト亭主が答える。
「花のようにはかない、しかし美しい一瞬のときめきかもしれないけれども、それを永遠の花のひとこまとして、哀しい忘却に譲る事なく心に留めたいですね」
女子大生が目を潤ませ言った。
「私の恋は今この花のように、美しく煌めいています。はい」
女子大生が目に溜まった涙を拭うのを見遣りながら、ホスト亭主が言った。
「僕もです」
女子大生が続ける。
「哀しい恋はやがて忘却される運命だけれども、きっとどこかで永遠に繋がり、こんな美しい花々の息吹になって、人々の心を和ませているのかもしれません。そう思うと私は幸せです」
ハンドルを握る手に力を込めて、ホスト亭主が滲む涙を堪える。
「僕も同感ですよ。僕も幸せです」
ワンレンの女子大生が泣くのを止めて微笑み言った。
「本当に綺麗」
ホスト亭主が頷き言った。
「綺麗ですね」