恋愛革命119
心暖まる花の息吹や、クリスマスの情感は人の心を優しくする作用があるならば、いつでもそんな情感が溢れていれば、皆優しい気持ちでいられるのにと、ワンレンの女子大生は言った。
営業を早めに切り上げ、ホスト亭主は夜桜スポットにワンレンの女子大生を誘った。
助手席に座っている女子大生が喚声を上げる。
「綺麗ですね!」
アッパーライトに照らし出された夜桜の並木道。
花見の渋滞に沿って、二人の乗る車はゆっくりと動いて行く。
ホスト亭主が言う。
「皆、花見しながら動くから、ぜんぜん進みませんよね」
女子大生が笑った。
「皆楽しんでいるのですよ。年に一度ですから」
「そうですね。雨が降ったら見れなくなるし」
女子大生が頷いた。
「本当に桜の花ははかないですよね」
「そうですね。でも息を呑む程綺麗ですね」
「本当に、綺麗」
五分咲きの桜の花々は、その息吹をライトに映し出され、息づくように闇に浮き上がり、咲き乱れている。
ホスト亭主が言った。
「こうやって、ゆったりと花見をしている人達は束の間心和み、優しい気持ちになりますからね」
女子大生が頷いた。
「そうですね。クリスマスの時も、普段道を譲らないドライバーとかが、優しく道を譲り合っていますから」
ホスト亭主がしみじみと言う。
「クリスマスは特別な日で、それには心和む華やかさがあり、桜にはやはり心暖まる情感があるから、皆優しくなるのですね」
うっとりとしながらワンレンの女子大生が言った。
「心暖まる花の息吹や、クリスマスの情感は人の心を優しくする作用があるならば、いつでもそんな情感が溢れていれば、皆優しい気持ちでいられるのに…」
ホスト亭主が頷いた。
「そうですね。そのようになれば本当に良いですよね…」