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恋愛革命110
ホスト亭主がネット中傷された。
朝方、ホスト亭主が家に帰ると、出迎えた妻が怪訝な顔をしつつ、スイッチの入ったパソコンのモニター画面を指差し、言った。
「ネット中傷されているわよ。読んでみて」
歩きづらさを気にしながら、ホスト亭主がソファーに座り、その内容を読む。
教科書改訂セミナー会場で女子大生をナンパして、店に勧誘し、金を引っ張る不届き者。
そのネット中傷には店名と、自分の源氏名が名指しで書き込まれている。
妻が言った。
「身に覚えはあるの?」
咄嗟にホスト亭主は白を切った。
「全く身に覚えは無いな。俺はそんなに器用じゃないし」
妻が頷き言う。
「身に覚えは無いのね。それじゃこれは店の誰かが、あなたの足を引っ張る為に書き込んだと言うこと?」
ホスト亭主が白を切り通す。
「そうだな。誰かの画策だと思う」




