恋愛革命104
悪いものを正すことの何処がいけないのですかと、ホスト亭主は言った。
サラリーマンが反論する。
「しかし学校教育は個人のセクション選択権自由を尊重する面からも、記号膠着型知識であろうが何であろうが、ベーシックなもので良いと俺は思うぞ。情操教育は各家庭の問題だと俺は思う」
ホスト亭主が言った。
「いや、各家庭は、売春婦やホームレスを蔑視するのが当然の善意だと錯覚していますから、情操教育は無理だと思います。その間違った差別意識をおいらんの純愛概念尊重理論で塗り替え、学校で正式に行うべきなのです」
サラリーマンが反論する。
「そんなのは頭の堅い大人には無理さ。絶対にな」
ホスト亭主が突っ込む。
「その大人を引っくるめた、差別偏見の構造意識塗り替え、変換するのがこのセミナーの狙いではありませんか?」
サラリーマンが否定した。
「だから俺は、捩曲がり膠着し切った差別偏見の構造意識は変わりようが無いと言っているのさ。それに加えて英才教育も変わらないし。それを変えようとするのは、死にかけた老人を若返らすのと同じ位難しいわけじゃないか?」
ホスト亭主が再度言い切る。
「若返らせれば良いのですよね?」
サラリーマンが断固否定する。
「資本主義にとって有益な差別化が消滅したら、エリート中心主義が崩れてしまうから、そんなのは絶対に無理だ!」
ホスト亭主が冷静な口調で言った。
「悪いものを正すことの、何処がいけないのですか?」