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恋愛革命10

各メディアによる理論誘導、大衆操作術も、原発よろしく杜撰なミスを冒せば、傷付き死んで行く人間は大勢いるのだと、ホスト亭主は言った。

サラリーマンが言う。




「俺達一般市民は法を守り、家族を支え、善意のもとに懸命に仕事や学業に勤しんでいるんだ。だからそんなおいらんを侮辱している差別意識など無いし、無かったと言い切れるわけだ。そうだろう?」





ホスト亭主が答える。





「現行の純愛概念に所謂売りを蔑む概念が潜在化していた事に、各メディアや一般市民は気が回らなかったではありませんか。その部分責任を問い質されても仕方ないという構図になりませんか?」





サラリーマンが反論する。





「ならないね。メディアサイドから物申せば、誘導操作術から漏れたそんな瑣末な事は眼中にないだろう。ましてや江戸期のおいらんを誘導術が侮辱したって、何も問題は無いのだから。違うか?」





ホスト亭主が論じる。




「いや、時代を遡って おいらんを侮辱した事が現行の純愛概念の間違いを正す結果になったのならば、メディアサイドはそこまで予測、計算は出来た筈です。でも結果としてその計算には至らなかった。その結果、間違った純愛概念により、売りをしている者が多数傷付いたわけです。管理社会の法則として、その責任は各メディアに問い質す事は十分可能だと自分は思いますが」




サラリーマンがせせら笑う。





「そんなの話しにもならないね。メディアと言ったって、所詮人間が必要項目をインプットして情報は発信されるのさ。だったら人間は完璧じゃないという理屈に立ち返り、そんなミスを冒したって、それは不可抗力、仕方ない事ではないか」





ホスト亭主が断言する。





「理論誘導、大衆操作術に関しても原発よろしく杜撰だからこそ、そういうミスを冒したのならば、それによって傷付いた者は浮かばれませんよね?」




サラリーマンが一際大声でせせら笑い、言った。





「おい、原発と一緒にするなよ。筋道が全く違うじゃないか?」





ホスト亭主が表情を変えずに頷いてから言った。





「そうですね。筋道を元に戻しましょう。各メディアの理論誘導、大衆操作術は余りにも体制擁護に走り過ぎて、大まかになり、人心の腐敗を放置した事に対して責任を問い質すというスタンスにします」





サラリーマンが冷笑した。





「おい、おい、それじゃ同じじゃないか?」





ホスト亭主が話しをまとめるべく言い切った。





「とにかく、現代の各メディアも、一般市民も間違った純愛概念を盲信して、売りという言葉でおいらんを侮辱し、大勢の人間をその欺瞞的善意のもとに傷付けた事は揺るぎない事実だと僕は思いますね」

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