第二章 転校生 前編
第二章 転校生 前編
僕らが教室についたときには僕ら以外の生徒は席についていた。
「遅いぞ、お前たち・・・って九城も、珍しいな」
この人が担任の板野で適当な教師。
「すんません、先生ちょっと会議していて遅れちゃいました」
石原はこう見えて放送部の部長だ。(ちなみに部長になりたいと言い出したのは石原自身)
「まぁいい席につけ」
僕らは言われるがまま席についた。
「ホームルームの前に転校生を紹介する。久保田美穂さんだ」
「久保田です。よろしくお願いします」
その声はとても美しくて容姿も可愛い。ショートの髪に美しい瑠璃色の瞳をしていた。
「じゃあ後ろの席、北川の隣に座りなさい」
久保田は軽く『はい』と返し僕の隣にに座った。
「久保田美穂です。よろしくね、えっと・・・北川君だっけ?」
「は、はい・・・よろしくお願いします」
前の席から石原が口パクで「放送部に誘え今なら大チャンスだ!」っと言ってきた。僕も口パクで「了解」と返した。
「あ、あのぅ・・・」
「なに北川君?」
「いきなりこんな事言うのもあれなんだけど、放送部に入らない?」
「放送部?」
「はい・・・実は部員が足りなくて来年で廃部になるかもしれないから、それに二年だけの部活だし・・・」
「いいわよ、私中1の時に放送部入ってたから、それにそういう部活があったら入る気だったし」
意外とあっさり入部が決まってしまった。
「入部届の紙は先生から貰ってあるから今日中に出しておくわ」