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借金ユーチューバが募金動画あげたら、エラい目にあって、誰にも言えないから心で懺悔するよ 全員集合

作者: ゆなすけ
掲載日:2026/07/03

この度は、私事にたくさんの皆様に、ご迷惑及び不安や絶望を与えた事を深くお詫びいたします


皆様に多大なご迷惑をおかけしましたが、私は自分の行いに対し、一切の悔いは御座いません


この罪を背負って、地獄への旅立ちといたします



思えば、始まりはコンビニのバイトがきっかけだった気がする


レジに置いてある募金箱を見る度に

日本中の人が10円でいいから

私に恵んでくれたら

この暮らしも楽になるであろうにといつも考えていた


大学卒業後

就活に失敗した私は日銭を稼ぐため

日々コンビニや引っ越しのバイトを掛け持ちしていた


身内は早くに亡くなり

奨学金や家の借金を背負い

あくせく働く毎日


そんな時

引っ越しのバイト先で

引っ越し作業を行なっている時に

1人の女性と出会った


まだ無名だがピアニストらしい


一目惚れというやつだろうか


生まれて初めて初対面の人に告白した


意外にも

返事はOKを貰えた


その時は

1円の価値もない自分の人生に

開花の瞬間が訪れた

と本気で感動した


気づいてたら

号泣していた


しかし後日

彼女から聞いた付き合った理由は

元彼にふられて

むしゃくしゃしていた

からだった


不思議と彼女とは気があった

大好きなピアノを死ぬほど努力を重ねてきたが

結果は結びつかず

食っていくには厳しいため

バイトを掛け持ちしながら

身体の悪い母を支える彼女に

シンパシーを感じた


その一方で

ギャンブル好きで競馬、競輪、パチンコが趣味な彼女


ギャンブル辞めたら

とアドバイスする私に対し

初対面で告白するやつなんかに何も言われたくないと一蹴された


借金をする程ではないが

貯金ができない金銭感覚とピアニストの夢を諦めきれないロマンチストで考えが甘い彼女とは2年ほど交際を続けたが

彼女の母を面倒見てくれる母方の姉(叔母)からの誘いがあり

母を預け

彼女は海外でプロのピアニストの夢を叶えるため

アメリカに単身で移住した


私に別れを告げて


彼女を失った

私は何もかもやる気をなくした


光が消えるとはこういうことだろうか


いや、彼女に会う前はこんな感じだったから元に戻ったと言うべきか


バイトも行けず

欠勤が続き

クビになった


そんな絶望の淵で

希望の光が

毎日見ていたユーチューブだった


面白い企画をたくさんあげるユーチューブを見て

いつしか自分も何かしたくなった


自分のアカウントでユーチューブをあげるのは初めてだった

ビルの屋上けん玉テク披露

バスケのスリーポイントシュートキックで決めるまで帰れまてん

利き手の逆の左手だけで、高級フレンチ作りに挑戦

など様々な企画をしたが、閲覧数が二桁を超えることはなかった


借金が重なり

家賃も滞納が続き

退去通告が出された時期だった


冗談で

自分の地元

沖縄県の中部にある嘉手納町で


町民みんなで10円募金

町民全員分の12,828人

合計128,280円貯まるまで帰れまてん

というライブ配信を行った


こんなの上手くいくわけないし

区切りのいい1週間過ぎても目標募金額に足りない場合は

企画を打ち切って帰る気満々だった


しかし

開始3日目にして

奇跡が起こった


町議の方が

募金の協力をお願いしてきた


嘉手納町に全額寄付をする

動画で自分の寄付シーンを映してくれるなら不足分を全額寄付をするという申し出だった


もちろん

募金先は決めてなかったし

企画的にも上手く動画が収まるなら言う事なしなので

その提案を快諾した


町議の知り合いや、インスタでも宣伝してくれた甲斐あって

閲覧数は初めて4桁を超えて

フォロワー数も初めて2桁を超えた


その動画の内容は

町の広報にも取り上げられ

地方のRBCというテレビの夕方のニュースにも少し取り上げてくれた


転換期というものだろうか

口コミが広がり

石垣島や、宮古島、久米島など

いくつかの離島から同様のオファーが届くようになった


個人でやってた

軽めのユーチューブ配信では限界を感じ

募金動画コンテンツを支えられる規模のユーチューブ企画を提供できる人材と機材と衣食住と収入を約束してくれた

石垣島での契約を結んだ


嘉手納町とは違い

個人でやってた時になかった正直全部読むには、だるい量の契約書や条項を確認して判を押した

あんまり意味は理解してないが

なんとかなるだろうと思ったからだ


ただ、いきなり個人(多重債務者)から石垣市という、一つの市と契約を結ぶ瞬間には

人生ってこんなことが起こることもあるんだなぁと感慨深かった


しかし

ひと言、言わせてもらえば

元カノのピアニストに

一目惚れ告白成功

に比べれば対したことはなかった


号泣もしなかったし


石垣島は5万人前後の人口だ

一人当たり10円と考えれば、50万円くらいの額となる


こういう、募金目標型動画にありがちだが

最悪自力で募金額を達成できなくとも

最初から目標額を準備しといて成功しましたと丸く収める手法はあるあるだった


契約した時点でその金額の予算は組んでいた


結果ありきの動画撮影だが、石垣島にもメリットはあった

募金動画とは二の次で

各観光名所や、学校、職場での撮影を行い、島内外へのPRを兼ねた動画であった


私のユーチューブ動画とは別に石垣島のテレビやラジオはもちろんのこと、沖縄本島でもその状況はマスメディアに取り上げられるようになった


その時点で、この企画は自分の足元を完全に離れた感覚があった


募金目標額は当初から組んでいたが

観光名所や学校、福祉施設や商店街など、やらせなしで、善意で募金してくれる人が多かった


嘉手納町で、1人で歩き回って募金をお願いしてた頃とは天と地の差だ


やっぱり、マスメディアで取り上げられているのと公式というのは大きな力を持つらしい


まぁ、普通に1人で募金活動してたら

怪しいわなぁ

よく、通報されずにすんだものだ(笑)


石垣島での動画契約期間は一ヶ月であった


石垣市では、ゲストにボクシング界のレジェンド、具志堅用高も動画に出演しながら

募金活動を手伝ってくれた

生の芸能人に会うのは初めてだった

緊張で、ハンカチで拭いてもやばいぐらいの手汗の量にも関わらず

気さくに硬い握手を交わし


そんなに緊張しなくてもいいさぁ


と優しく声をかけてくれるレジェンド


人気の理由に納得した


流石、島の英雄だけあって

その日が石垣島にいる間で最高額の募金を集めることが出来た


募金額もかなり目標に近づき

3週目の撮影の合間にはもう

宮古島、久米島、伊江島、波照間島での動画契約が決まっていた


流石に、全部同時に自分の動画チャンネルでやるには限界を感じ

各テレビ局やラジオ、県内で有名なユーチューバーに協力を仰ぎ

企画を発信している島にチョイチョイ顔を出しに行く

という条件で募金及びユーチューブ活動を継続した


不思議なもので

超有名な県内の芸能人やアナウンサーなどに自分が特別なゲスト扱いでインタビューや接待を受けるのには違和感があった


学生の頃から大好きだったHYにも会うことができた

ラジオをいつも聴いてて、しんすけさんの毎週のギャグが一番大好きです

と伝えたら

いーずーさんに

君、変わってるね

と言われて嬉しかった


M1で一夜にして、人生が変わることがあるというがこういうことをいうのだろうか


動画がバズる前は借金が3桁あったの対し、今は、貯金額が3桁を超えている


石垣島のロケから早半年経った今

宮古島、伊江島、波照間島、久米島の募金動画もクランクアップし

今は沖縄本島の各市町村を中心に募金活動(市町村PR活動)に併走している


沖縄の有名なAランチというテレビ番組にも出演した

メインパーソナリティの女の子とは同級生だったことに驚いた


この募金活動は沖縄本島に活動拠点が移った時点で

内地(本土)のテレビやユーチューブにも取り上げられるようになった


その甲斐あってか

県内市町村の七割が募金目標を達成した時点で

観光客の数が前年度比の1.4倍を超えて過去最高を達成した


好景気ということもあり

必ずしもこの募金動画のバズリだけが要因だとは思わないが

テレビやラジオで褒められる度に自分を見失いそうになった


沖縄県内の募金に目処が経ったある時

県外からの募金動画オファーが届いた


鳥取県だった


軽いオファーだったら

他の県からもいくつかあったが

計画企画書や契約金額、滞在先や、何より鳥取県を終えた後のユーチューブ活動の支え立てや他県への募金活動のバックアップやタイアップなど

多岐にわたる、生活いや、下手したら一生の保証と言っても過言ではない待遇が鳥取県との契約の決め手になった


日本で、一番人口が少ないこともあり

県のこのプロジェクトにかける意気込みは凄かった


ただ、私は沖縄という離島で暮らしていたためか

他県への興味があまり薄い方だった


鳥取県と言っても

砂丘ぐらいの知識しかないため

勉強や知識を含めて、2週間の研修をお願いした


鳥取県のローカルタレントや有名企業ともコラボする機会が増え

人脈の幅が凄いことになってきた


自慢ではないが、私は人の顔を覚えるのが苦手だった


これまで貰った名刺は千枚をとっくに超えた


世のタレントと呼ばれる人たちはどうやって人を覚えているのだろうか


最低限、一番のお偉いさんは押さえておこうと思っているのだが

沖縄本島で、活動している時点で

全41市町村長を覚えるのもあやふやに終わった


鳥取県のプロジェクトが起動に乗り出して、一ヶ月後、沖縄全県の募金額が達成を遂げた


その日の前日は、興南高校が県勢初の春夏甲子園優勝を成し遂げたこととも重なり

沖縄では、盆と正月が同時に来たような

お祭り騒ぎに島が沸いた


速報だが、

その額、約3,700万円


募金1人当たりの目安は10円だ


県民約146万5千人に対して、その額への剥離には理由があった


募金額が達成した市町村の間でも引き続き、募金が継続していて、全市町村が目標額を達成する間に募金額が溜まっていたのが理由だ


起業とのタイアップもあり、沖縄県の全市町村としての目標は達成したが、募金額は未だに増加中とのことだ


前回の観光客増加の評価と今回の沖縄県の募金活動が評価され、なんと私が沖縄県民栄誉賞を授与することになった


実は、元カノのインスタは把握していたので、これを機に復縁できないかと、DMを送信したが、彼女から返信が返ってくることはなかった


その夜は号泣した


沖縄県民栄誉賞を授与の際、溜まり続ける県内の募金を次の鳥取県の募金活動に協力できないか打診した


意外なことに募金活動協力は賛否に割れた


賛成意見は言わずもがな


反対意見は、鳥取県は自分達で目標を達成することに意義があるとか、偽善だとか、そもそも沖縄県民でも多数の人が募金してないという状況もあり、勝手に県民総意で募金達成したことにするなだのetc


反対意見やネットでの批判が多くあったのは知っていたが、見ないふりしてスルーしていた


しかし、今回の沖縄県の募金を鳥取県の活動に繋げる行為に関しては、沖縄県、鳥取県それぞれから多数の会議や意見調整の場を設けられた


結論から言うと、沖縄県の募金額は鳥取県の募金活動を支援することに決定された


理由は簡単だった


募金活動と言っても、番組や自治体のPR、タレントのギャラ、予算、他にも数え切れない費用がかかるからだ


集まった募金からそれら経費にまわることはなく、ほとんど自治体や協賛企業の努力が実り、今回の募金活動成功に繋がっていたのだ


もちろん、多数の無給のボランティアや募金支援者の協力もあってだが、大きな事故や事件もなく、大成功に終わった沖縄県の募金活動はある意味奇跡と言っても過言ではないだろう


しかし、鳥取県でも同じになるとは思えなかった


他県だし、何よりリスクマネジメントが最優先だと、なんかその時には思ったのだ


まぁ、元カノに完全に切られたというネガティブな思考があったことはいなめないが


私は、この沖縄県の余剰募金を鳥取県の予算に組み込む事に成功した


前例を作ることで、次他県からのオファーに対しても同様のことが出来るし、こうやって日本中が繋がっていけたらいいなといつの間にか真剣に思い始めていた


鳥取県での募金活動や、ユーチューブ活動に順調な時に事件が起こった


トクリュウという、闇バイト絡みで募金が盗難されると言う事件だ

被害は複数市町村で起こり、額は数十万に上った


皮肉なことに、それがきっかけとなり、全国ニュースの話題になることになった


犯人のボスは


NARUTO


と名乗り、海外に拠点を置き、いろんな悪事を働いているとのことだ


岸本先生もさぞ、ご迷惑なことだろう


そのせいか、ナルトが乗っているラーメンにも影響が出るようになり、過去一ナルトの売上が減る事態にまで陥ることになった


恐るべし風評被害


いや、これを風評被害と言っていいのだろうか


全国のニュースやマスメディアのおかげで鳥取県は格段に注目の的をえるようになった


沖縄県が募金達成した時でさえ、こんなに注目されることはなかった


人の不幸は蜜の味と言うのだろうか


この事件をきっかけに私の名前も広く知られることになった

あんま、目立ちたくなかったのだが


しかし、災い転じて福となす


鳥取県の募金活動は全国からの支援が広がり、その事件から1週間もしない内に全市町村が募金目標を達成してしまった


鳥取県としては、もっと時間をかけて県の魅力や観光を全国にPRつもりだったが、企画の三分の一くらいで目標額達成を遂げた


だが、トクリュウの事件以上に全国からこんなに注目される可能性は低い上に、観光客や移住者も増加傾向とのことなので、いろいろあったが、成功には違いない


メインは募金活動なのだが、地方活性化というのが裏テーマにあるのではないかと思い始めた


しかし、人や企業が一丸となり、目標に向かって一つになるということはこんなにも凄い力になるものなのか


その対局が戦争だと思うと、この活動がそこに結びつかないことだけを祈らざるをえなかった


募金達成のセレモニーはもちろん、鳥取砂丘で行われた

知事と鳥取出身の衆参議員から表彰を頂き、盛大な式典の元で、次の県へと引き継ぎが行われた


次の場所は北海道だった


北海道での契約には変わった、一文が記載されていた


この活動をドキュメント映画にしたいとのことだった


タイトル


北海道募金


主演 大泉洋


マジか!?


私の出演も重要キャラでお願いされたが、ユーチューバーだけど、芸能活動には興味がなかったので、モブキャラか脇役ならいいよということで、出演が決定した


映画完成後、自分がどのシーンに映っているか確認したが、最初フルで映画を観たときには気づかず、スタッフにこのシーンですよと、言われて初めて自分のシーンを見つけることができた


実は、モブキャラ希望だったが、映画のシーンでどこが違和感になるか分からないということで、撮影だけは結構つきあわされた

そして、数十シーンの一箇所以外はオールカットの見事な違和感もみ消しに成功した


ウォーリーを探せでも、普通はもっと気づきやすいぞ


多分、知り合いが見ても誰も気づかないんだろうな

どうせあんなに撮影につき合わされるんだったら出演シーンの多いサブキャラにしとけば良かった


これでも、ユーチューバーなのに

トホホ


話は戻るが

映画の撮影を受けながら、募金活動をし、観光名所のPR、ユーチューブの活動、接待、自治体への挨拶を全部同時にやっていると自分はいったい何がしたいんだと考える時間も多くなった


そんな時でも、夢では普通にコンビニで働いてた時やもやし炒めや半額弁当、インスタントラーメンで生計をたててたあの頃を思い出す機会が多くなっていた


既に、貯金額は4桁超えているというのに


その頃からはユーチューブ界隈でも有名になり、ヒカキンやフィッシャーズ、はじめ社長、カジサックなどレジェンドユーチューバーとのコラボ企画も多くなっていた


ただ、一つだけ、不満を挙げるとすれば、いや一つではないんだが


休みが全くない


ホントに朝から晩までスケジュールがビッシリ組み込まれてる

拠点は北海道だが、出身が沖縄だけに、日帰りで沖縄に行くこともあった

皮肉なことに飛行機や電車での移動時間が一番の休憩時間だった

お笑いのやす子もめちゃ忙しいと聞いていたが

そりゃあ

はいーー

とも言いたくなるわな


マジで


映画の撮影の関係もあり、北海道の募金活動には半年を要した

募金額なんて、全国で有名になりすぎて、2週間経たずに達成していたのに


映画での披露試写会の舞台挨拶には必ず出るよう釘を刺された

ユーチューバーといっても、あまり目立ちすぎるのも嫌なのだが、流石にこれは断りきれず出演を了承した


あぁ、adoが羨ましい


顔出しNGで、最初からやればよかった


試写会挨拶は、大泉洋にとことん、いじり倒された


あんた誰!?

映画出てた!?

てか、オーラないっ!

スタッフ部外者入れたの誰!?などなど


もちろん、舞台を降りたら、盛大に謝罪の言葉を本人から頂いた

てか、高速土下座って初めて見ました

光の速さ超えてんじゃねって思うくらいの勢いだった


ただ、大泉さんの普段の仕事柄や態度を見ていたら、なんで大物俳優なのかとは痛いくらいに感じた


実は、映画に関わって一つだけ嬉しい誤算があった

それは、私が敬愛してやまない

江頭2:50が出演してくれたことだ


もちろん舞台挨拶にも参加してくれて、場は大盛り上がり、いやあれ、放送できんのかと疑問も湧いたが、

ニュースで見たら、綺麗に編集されており、

日本のマスメディアの編集技術に感動を覚えた


そんなお前らに一言物申す

エガちゃんはマジメ


エガちゃんはマジで舞台降りたら礼儀正しいからね


収録入もスタッフの誰よりも早く入って、入念に準備するプロフェッショナルぶり

ある意味職人

日本全国の皆さん、エガちゃんはマジメですよ

とスカイツリーの屋上から

いや、富士山のテッペンから声たかだかに叫びたい


というのは、置いといて


江頭2:50から推測できる通り、次回の募金先は佐賀県に決まっていた

しかし、こんな各県ずつ対応していたら、日本全国募金なんて夢のまた夢になるため、佐賀県に決まる前から九州全体を募金活動地域に指定していた


九州全体だとかなり広域になるため、中心地を佐賀県に拠点にしたいと九州地区募金会議で提案していた


福岡じゃなく、なぜ佐賀県が中心なんだとクレームが来た


内心、私がアタオカだからというのは隠しておき、無名な土地や県の魅力を通じてメジャー都市の福岡にも貢献していきたいアピールで場を収めることが出来た


私も汚い大人になってしまったものだ


九州での募金活動開始のメインセレモニーを福岡ドームで行われることになった


ソフトバンクホークスが日本1位となり、その波に乗りたいのが見え見えだった


個人的には中心地である、佐賀県の吉野ヶ里歴史公園で江頭2:50と佐賀県人会などとコラボ動画しながら、募金フェスと銘打ってアタオカの鏡らしく放送コードギリギリの限界まで挑戦したかったが、福岡県が中心地を佐賀県に譲ってくれた手前、そこは譲ることにした


あぁ~、やりたかったなぁ

エガちゃんとコラボ


福岡での開始式では博多の英雄といっても過言ではない

華丸大吉さんと今田美桜さんによる司会で

安定の式を送るはずだった


佐賀出身のエガちゃんはもちろんのこと

長崎出身の福山雅治の凱旋ライブ

熊本出身のクリームシチュー

宮崎の東国原氏も各地元の現地でスタンバイしており

各地に九州オールスターを集め

ライブ配信と

九州全体が一丸となる

27時間テレビ顔負けの

丸ごと九州統一募金式典みたいな形で

実は、北海道募金開始前からの壮大な計画の準備を行っていた


福岡ドームでもいろんなフェス顔負けの企画を計画しており、最初はオリンピックでも始める気かと思ったほどだった


その予算は国家予算からも支出されていた


九州を足がかりに政府も四国、東北、近畿、東海、関関東甲信越、中国、北陸地方など日本が盛り上がる起爆剤としたかったからだ


支持率も低下してたしな


そんな思惑とは裏腹に


開会式の途中で地震が起きた

震度3と結構な揺れだったが

問題はそこじゃなかった


後に呼ばれる

中国地方大震災


島根県出雲市を震源地とする

マグニチュード7.3

最大震度7を記録する

大地震が起きたのだ


幸いにも津波の被害は日本全体では軽微なものであったが、最強寒波が到来しており、停電地域が多数発生し、混乱も多く招き


日本が最高に盛り上がるはずの1日が


死傷者数千人以上を記録する

歴史的災害を記録する日になってしまった


もちろん、式典は中断となり、余震に備え、安全第一に配慮しながら、イベントをしていた各県の会場で緊急避難することになった


大きな混乱を招いたが、避難する際に軽傷者が多少出る形で、九州の被害は小さい方で済んだ


その後、震源地で震度6強、震度6弱の余震が起こり、中国地方周辺では、交通機関も完全に麻痺する被害状況となった


震災時期ともあって、九州地区や今後予定していた東北と四国地方との募金契約は白紙になった


沖縄、鳥取、北海道で集まった、募金の総額はこの震災の募金に使われることになった。

その額、約9,000万円以上となっていた


しかし、鳥取県に関しては、震源地に近かったことと被害が大きいこともあり、自県に大半を費やすことになった


私も、鳥取県では、仕事で大分お世話になったこともあり、ボランティア活動に参加させてもらった


被災地でのボランティア活動を行う際、宿泊場所は最初、避難先の体育館などは避難民がいるなどで、テントや学校の空き教室などを使わせてもらっていた

被災者の不安やストレスもピークともあり、緊張感のある日々が続いた


島国の利点というものだろうか


陸路の交通機関は使えなくなっている所も多かったが、海路から他県の支援を受け入れることで

復興の足がかりへとしていった


しかし、やはりと言うべきか陸路の封鎖は復興の最大の障害となっていた


ライフラインである、電気、ガス、上下水道に影響が大きく、避難先によっては、プライバシーが守れない生活やトイレが足りない、1日でおにぎりや乾パンが1食だけというところもあった


しかし、そんな中でも日本は熱かった


多数の有名人、タレントやユーチューバー、スポーツ選手などが入れ替わりでほぼ毎日どこかしらの避難所でボランティア活動に勤しんでいた


テレビでもたくさん取り上げられていたが、実はそれ以上にオフレコで参加している人も多かった


被害が少ない都道府県からも多数の援軍が来てくれることもあり、水や食料に限れば足りないということはすぐに解消されつつあった


しかし、知らない土地での終わりの見えないボランティア活動とは思った以上に自身の精神的、体力的にも蝕まれていた


住み込みのボランティア活動を続けて、一ヶ月半が過ぎたある日、私は意識を失って倒れた


目を覚ましたら、4日間意識を失っていたとのことだった


医師が言うには過労が重なり、少しうつ病も発生しているとのことで、2ヶ月の安静を言い渡された


そんな暇はなかった、復興は全然、進んでおらず


こんな私でも被災地で活動することで勇気をもらえる人が多数いることは承知の上だったからだ


私はスタッフや医師に無理を言い、今すぐ被災地に戻してくれと懇願した


しかし、今回の私が倒れたことは逆にニュースとなり、倒れた被災地の現場でボランティアへの体調管理などで叩かれる記事を目の当たりにし

私は、被災地のボランティアから身を引く覚悟を決めた


荷物をまとめ、沖縄に帰ろうとした時、たくさんの方がお世話になったと関西空港まで駆けつけてくれた

チャンネル登録したから、ユーチューブ活動頑張って続けて下さい

という最高の言葉をお土産に頂き

那覇空港行きの便へと向かい

関西空港をあとにするのであった



私は地元に戻り、仕事の量をかなり抑え、募金活動でお世話になった地域への挨拶まわりを行った


講演会の依頼も来たが、精神的、体力的にもまだ万全じゃないため5分から15分くらいの短い演説(もはや挨拶)でいいのならということで、いくつかの講演会を学校や会社、公民館などで行った


地元に戻って、はや半年が過ぎた

体調も大分前から本調子に戻っていた

 

ユーチューブ活動は休止していたが、ある程度の仕事と収入があったため、のらりくらり過ごす毎日の中である一通の手紙がポストに届いていた


そう、ライアーゲームトーナメント1回戦の案内状だった


⋯⋯⋯


嘘です


それは、最初に嘉手納町でお世話になった元市議からの依頼文であった

市議は既に、県議になっていた


単刀直入に言うと

嘉手納町長選挙に立候補してほしいとの事だった


実は、政界からの誘いは大分前からたくさん頂いていたが、政治に興味が無いため今回もお断りをした


それならばと相手方から衆参議院最大与党の沖縄支部に顔を出して欲しいと頼まれた

選挙のことではないからということで

その依頼だけは受けた


あの大震災から、一年以上が経過していた

復興には全然及ばないが、テレビなどで頻繁に被災地を取り上げられなくなっていた時期だった


沖縄支部の事務所は那覇市の久茂地にあるビルの一室にあった


呼び出されたのは

ユーチューブの募金動画企画をもう一度

党の予算をあげて行なってほしいということだった


実は、この年に秋田県の人口がとうとう90万人を切る事態にまでなっていた


震災以上に地方の人口流出と過疎化が問題となっていた


正直、その依頼には迷った


と言うのも、私の体調は良くなっていたが、医師から全盛期並みの忙しい状態を繰り返したら

うつ病の再発も含めて、体調の保証もないと釘を刺されていたからだ


さらに、政党の一つに肩入れをするというのは、私のポリシーに反した


そこで、体調管理を第一とし、かかりつけ医をつけ、他の政党の協力を拒まないこと

募金活動と併走して行いたい一つのプロジェクトへの協力

3つの条件の元で、秋田県の募金動画の計画を了承した


今回の募金開始式は

東北三大祭りの一つ

秋田竿燈まつりで行われることになった


九州のイベントが中止になってはや、一年半以上が経っていた


今、新たにユーチューブと募金活動の2足のわらじを踏み始めた


結果として

イベントは過去最高の140万人の来客を記録し、大成功に終わった


もともと、宣伝は2ヶ月以上前から行われており、

前回の募金活動の影響もあって、成功をするのは大筋読めていた


募金額も上手く行けば、祭り期間中で達成することも不可能ではないとの目算だった


秋田県人口、約89万人に対し、890万円の目標額なら祭り会場の現地での募金活動とインターネットで行うクラウドファンディング、企業からの協賛金などを考えれば可能性のある数字だった


だが、予想とは斜め上の結果となった


4日間で、3千万円以上集まるという過去最高の快挙を成し遂げたのだ

企業からの募金や現地での募金も多かったが、何よりクラウドファンディングの額が桁違いとなっていた


秋田県の募金は一部を被災地復興にまわし、余った金額で秋田県の移住者への住民サポートや第一次産業の政策に使われることになった


特に、若者の誘致政策に力を入れ、募金前から公約していたかいもあり、祭り後すぐに問い合わせが殺到したとのことだった


併走させたいプロジェクトとは正にそれだった


現在、日本では急速に第一次産業の衰退が拍車をかけている状況であった


理由はいろいろあるが、その一つが後継者不足や若者離れも要因となっていた


高齢化と少子化不足のダブルパンチもあり、なんとかこれを打開できる策がないかと考えていた


それが、第一次産業の人材派遣のための株式会社を立ち上げて自治体でサポートするという案だった


第一次産業に就職したがらない理由に収入面の心配と休暇が取りにくいというのがあった


その問題を解決すべく、人材派遣会社で若者を正社員登用し、人手が足りない場所に人材をいつでも派遣できる体制を整えるという壮大なプロジェクトだ


仙北、平鹿地域を中心に事業を始め、軌道に乗り始めたら秋田中央、山本地域へと随時拡大していく予定だ


IT分野にも声をかけ、スマート農業と絡めることにより、幅広い分野に挑戦する狙いもあった


そうすることで、加工工場や流通拠点、店舗まで波及し六次産業化までを見据えていた


秋田竿燈まつりの募金開始前からすでにこのプロジェクトだけは開始していた


思っていた以上に反響も良く、他県からも採用面接に来る若者が多かった


今回の募金成功で、プロジェクトの財源や広報アピールに繋がり、反響が凄いことになった


数年ぶりの募金活動復帰最初の大成功やプロジェクトの軌道が上手く乗ったことが大きかったこともあり


続く、青森、岩手、福島、宮城、山形県も募金活動や第一次産業の株式会社プロジェクトに参加してくれた


そして、秋田県の募金成功から2年

とうとう募金活動初の東北地方制覇を達成した


正直この時の気持ちは

赤木先輩、全国制覇はまだだけど、東北地方制覇は果たしたよと

意味の分からないことを考えてニヤニヤしていた


東北地方の活動の最中、ある地方からの次の募金活動の打診があった


そう、今となってはトラウマの一つである


九州地方だ


内容は前回と一緒

佐賀県を中心に九州地方全体で募金活動を行うというものであった


但し、前回は国家予算を使い、盛大に大コケした前科もあるため、予算は大幅にカットのスタートとなるが、相手にとって不足無し


やってやるぜ、九州

という思いで、その提案を快諾した


東北地方制覇を土産に九州に凱旋した

各県知事や県庁所在地の市長に挨拶をあらかた終えてプロジェクトを始めようとしたその時だ


中国で、コウモリを媒体とする新型のウイルスが猛威を振るっているというニュースが飛び込んだ


まさか、それが全世界を揺るがす、戦後最大の世界封鎖に繋がる事件になるとは

この時は誰一人知る由もなかった


そう、この私でさえも


それから、2、3ヶ月経ったある日

総理大臣から緊急事態宣言が発令された


不要不急の外出は控え

イベントの全停止

社会活動ですら制限される時代


そう、世は正に

新型コロナ時代


もちろん、九州地方募金計画は白紙となり、このことは後に

募金界のドーハの悲劇

と揶揄された


信じられなかった

令和のこの時代にこんなことが起こるなんて

まるで夢を見ているようだ

そう、決して覚めない

ナイトメアだ


てか、おい九州

いい加減にしろ

これで2回目だぞ

なんか、恨みでもあんのか

西郷隆盛の無念か

桜島が噴火するのか

世界最大のカルデラが九州制覇を許さないのか


この時点で、私は完全な九州イップスを抱えることになった


吸収がいいタオルと聞くだけで


九州のどこがいいんじゃ、ボケっ

と誰も聞いてないのにツッコむくらいの

重症具合だった


コロナは、ホントにひどかった

変なマスク配られたり

無観客オリンピックを無理やり開催したり

マスクや除菌ティッシュ、アルコールが高額転売されたり、店から無くなったり

潰れる個人経営の店舗も多く

知り合いのお店も何軒か店を畳んだ


明けない夜はないと言うが、そんなコロナ社会も段々と鳴りを潜め

普通の生活を取り戻しつつある

そんなある日


再度、県議から連絡が届いた

九州地方募金の件だった


実は、九州地方の募金計画が2度も頓挫し

一番、落ち込んでいるのは九州に住んでいる人たちだった


国民が抱える新型コロナの不満やストレスを九州地方の募金達成という形で払拭したいという願いだった


正直、気分はあまり乗り気ではなかった


新型コロナ以降、九州地方2回目の失敗が引き金となり、私は重度のうつ病を再発していたからだ


マインドバスターコールとでもいうのだろうか

海軍大将以上のみ発動許可ができる

海軍本部中将5名以上と、軍艦10隻以上の戦力を用いて

指定された対象の精神を無差別に攻撃・砲撃し尽くし跡形もなく破壊尽くすほどのストレスを表す

ワンピース用語の一つ(嘘)


それぐらいのストレスによって、すでに私の心の中の日本地図には九州の名が完全に消えさるほどの憔悴状態であった


入院も半年以上余儀なくされ、ユーチューブ活動も休止、退院後、十分な静養を育み、安静な生活に慣れ始めていた矢先のことだからだ


医師やリハビリ師からは当然、烈火のごとく猛反対をくらった

ただ、自分以上に九州地方の人たちが同じような思いをしていると考えると

選択肢は一つしかなかった


気持ち

体重約 190 トンのシロナガスクジラよりも

重い腰を上げ


私は、立ち上がった

そう、あの時のクララのように


今なら聞こえる

あの時の


クララの意気地なし


と言って泣いてその場を立ち去ろうとした

ハイジの言葉が


ハイジ、私は立つよ

自分の足で

アルプスから見てて

九州を制覇する私の生き様を


謎にアルプスのハイジに九州制覇を誓い


私は那覇空港に向けて、タクシーを走らせた


意外だったのは、依頼があったのは鹿児島県からで、九州全体からということではなかった


逆に、私はそこに救われた


幾ら何でも、また九州全体からというのはリスクがデカすぎる

3度もあんな目にあったら、間違いなく私は首を吊るだろう


正直、沖縄にいた時みたいに各市町村ずつから始めてもいいくらいだった


コロナ明け、初の募金活動を鹿児島の城山展望台から行った


まだ、コロナ禍の名残もあり、マスクをしながら、募金活動を行った


もちろん、募金する側もマスクをしての募金だった


ソーシャルディスタンスが重要視されていた時期なので募金の列とか幅取りの感覚などがすごい事になっていた


クラスターを防ぐため、募金の時間帯や予約制、三密対策という聞いたことない募金のルールが定められた


マスクのせいか相手の顔をちゃんと見れないで、募金を受けるというのは多少なり違和感を覚えた


しかし、募金でありがとうの言葉を酌み交わす内に

大事なのは相手の顔を見ることではなく、

相手が握りしめたお金を募金箱に入れる刹那の瞬間にどれくらいの想いを託したかを感じることに

募金の真髄があるのではないかとの考えに代わった


そして私は

募金活動を続けながら

人の真心と言う深海に深く潜り込む努力の果てに

ついに

募金の心理の扉を開いた感覚に陥った


そう、新型コロナの社会もきっと悪いことばかりだけではないはずだ

現に、自粛生活が長引いたお陰で自然環境は良くなり、地球温暖化にも良い影響が出たというじゃないか


ピンチのあとにチャンスあり


募金の心理の扉を開いた今なら

きっと辿り着けるはず

九州地方制覇に


いや、今こそ使わさせてもらいます

赤木さん


辿り着いてみせます

全国制覇に


新たな、目標を胸に抱き、不死鳥の如く、募金やユーチューブ活動に精力を注いだ


そのかいもあり、桜島での旗の下、鹿児島地区での募金額を達成することに成功した


見てるか、チョッパー、ドクタークレハ

ヒルルクの誓いのもと

募金成功の桜を咲かせたよ


この国は今な、病気なんだよ

コロナの影響で、国民は希望を失い、心が病んでいる


この国には希望と言う名の桜が必要なのさぁ


ドクターヒルルクの意思を継ぎ

鹿児島の桜島で

満開の募金成功の桜を咲かすことに成功した


これは、47都道府県で考えるならば、小さな一歩に過ぎないが、人類にとっては偉大な一歩に違いなかった


鹿児島の募金成功はすぐさま、全国の放送で列島を横断した


鹿児島県成功後、隣接する熊本県と宮崎県の募金活動も開始した


まさに今この瞬間に感じるものがあった


スポーツしている者なら誰しもが感じることがあるだろう

流れというやつだ

一度流れた、試合の流れや勢いは劣勢側が取り戻すには並大抵にならない事が必要不可欠だ

恐らく、この募金活動にも流れがきっとある


そして、そのきっかけは鹿児島の募金成功に他ならないはずだ


今、正に風が吹いている


それは、北でも、東でも、ましてや、南、西でもない


そう、九州制覇に向かっての王者の風が

猛烈に


いける、きっとイケるはず

きっとこの流れが熊本と宮崎にもいい流れを呼び込むはずだ

その読みはズバリ的中した


WBCで日本が優勝して大谷翔平選手が伝説になった日

熊本と宮崎がほぼ同時に目標募金額成功を収めた


中国地方大地震や新型コロナの時もそうなのだが、起こる奇跡というものは限度というものがないらしい


良くも、悪くも


日本中が、歓喜に沸いた

そして、何より驚かされたのが、WBC優勝会見であの大谷翔平が熊本と宮崎、鹿児島の募金成功を祝福して、九州の募金成功を心から祈ってくれたことだ


流石に、これには号泣した


なぜなら、心の中の赤木先輩やアルプスのハイジではなく、

リアル大谷翔平がこの募金活動を認めてくれたからだ


これ以上のエールはなかった


その1年後、最大の難関と言われた、九州地方制覇を3度目のチャレンジで私たちは成し遂げることが出来た


九州地方募金達成のインパクトは凄かった


続く東海地方、北陸地方での募金活動も滞りなく、成功を収め、日本の約半分以上の地域で募金制覇となっていた

また、各地域で、秋田県で行った第一次産業の人材派遣に伴う株式会社をモデルとし、他の大手企業も続々参戦し、日本の食料自給率向上に影響を与えるまでになっていた


北陸地方制覇から1週間後

私は、首相官邸に招待されていた


数々の募金活動や、前回の東北での第一次産業専用人材派遣の株式会社の業績好調、各都道府県の地方の観光名所PRに伴う海外観光客や国内観光客の増加などetc

とりあえず、いろいろ頑張ってくれたということで、特別功労賞というのを授与された


授与式では、天皇陛下や皇族の方も招待されており、陛下からお褒めの言葉を頂いたが、今は記憶になく、

佳子さまと握手したあの手の温もりだけが残るだけだった


授与式後の記者会見で、記者の人に

次の四国地方と近畿地方の募金成功に自信がありますか

と聞かれ、私はこう答えた

四国と近畿地方制覇だけを狙うわけにはいきません

全国制覇が私たち(日本人)の夢です


会場は大いに沸いた


それはパクリだと


記者会見後すぐに私は次のプロジェクトに移るべく

漫才の練習に勤しんだ


なぜなら、次の開催地は関西だ

四国も同時に募金活動を行うが

ここで、M1を穫れば募金活動とユーチューバーとしての箔が付く


そして何より絶対の自信があった


実は、九州で募金活動を行なっている時から、近畿地方制覇を見据えて、相方を見つけ、漫才の修行を行っていたからだ


それは、正にお笑いの

大峯千日回峰行

と言っても過言ではなかった


大峯千日回峰行とは

奈良・吉野の金峯山寺で行われる往復48kmの険しい山道を1000日間(約9年)かけて歩き通す荒行で、1300年の歴史でわずか2人しか成し遂げていないという伝説の修行の一つだ


相方とは、修行のせいで何十回も、お笑いの方向性の違いで解散しそうになった


そんな時

安西先生ここで諦めたら試合終了ですよね

と心に問いかけ、再び相方との二人三脚でお笑いという先の見えない荒野へと足を踏み出した


小さな、ライブハウスで自腹で何度もネタを披露した

雨の日も

風の日も

すべる日も

ウケる日も

空き缶やゴミを投げられ帰れコールを浴びようと

ライブハウスから出禁をくらおうが

M1優勝という夢の前では取るに足らないものだ


どんなに、スベリ、叩かれようとも

何度も立ち上がる私たちコンビに

人々はいつしか

鋼の漫才師

と呼ぶ様にになった


作ったネタの数は軽く千を超えた


だが、真の漫才師に必要なものはネタの数ではない

一発必笑のネタが一つでもあるかどうかが肝なのだ


千を超える作ったネタから、理解、分解、再構築を無限に繰り返す日々と等価交換することで

最上級のネタを錬成するのだ


なぜなら、現実世界には賢者の石でも使わない限り都合のいい万人受けのネタは降りてこないからだ


数々の困難を乗り越え、初挑戦でM1優勝という夢を抱き

私たちは無限の苦渋の不満や疲労に目をつぶり

芸の昇華に磨きを入れたのだ


寝れない夜が続いた


私が今まで思っていた努力とは

ホントの努力ではなかった


今こそがホントの努力をしているんだと感じるほどだった

この先、どれだけ長生きしようが、今以上の努力をすることはないだろう

あの時の元カノ以上の女性が現れないのと同様に


互いがお笑いの何たるかを心に刻みつけた時

優勝の二文字を確信した


M1の1回戦予選前夜、フォロワー数、100万を超えるユーチューブのライブ配信で視聴者に優勝の二文字を誓った


それは、ユーチューバーとしてのケジメであり

退路を断つことで己の限界を引き出すという石にもすがりたい思いと

優勝するという断固たる決意の証明でもあった


そして、歴代最高数の参加者集う

M1の予選1回戦


ミスはない、手応えもある、次の二回戦に向けて、兜の緒を引き締めようとした矢先のことだった


無様に私たちコンビは1回戦敗退という結果で

M1制覇の夢の扉は閉じたのであった


その日に、生まれて初めて、ライブ配信で謝罪動画を出した


過去に体験した学びはいつどこで役に立つかわからないということをこの時初めて知ることになった


使わさせてもらいます、大泉洋様


秘技

高速土下座


新聞やネット、メディアでも大きく取り上げられ、M1の1回戦予選敗退の記事史上、最高に話題となるという、敗者に鞭ならぬ、包丁滅多刺しアタックをくらうはめになった


初めてじゃないだろうか、M1の1回戦予選敗退のネタを朝のニュース番組で生放送でさせられるというのは


ネタ後、お決まりに

やっぱ、面白くないですね

とのコメント貰う度に

じゃあ、やらせるなよと逆ツッコミを交わす流れ


後に、私はこう語った


なぜ、このネタでイケると思ったんですか

と取材した記者の顔と名前を一生忘れん

と


そのことが私の生涯最初で最後のM1挑戦となり、コンビは解散し、マイク一本の舞台から姿を消す道を選んだ


後日、大阪の知り合いと呑みながら、当時のことで、話すきっかけがあった


みんな、オモロない、つまんない、スベってる言う割には結構、笑い取れてたよな!?


彼は、こう答えた


みんなを笑わせてるんじゃない、みんなに笑われているんだ

と

どうやら、お笑いの世界では、この違いが天と地にも違うらしい

結局、私は生涯、お笑いの心理の扉を開くことなく

漫才師としての生命を終わらせた


漫才師としての命日から49日が経過した現在、私は徳島県庁内で四国募金の会議の席にいた


近畿地方募金を並行させるつもりだったが

大阪万博が近く行われる予定に合わせて、近畿地方の募金活動計画が延期になったため、四国地方から募金活動をすすめていくことになった


蜜柑の愛媛、うどんの香川、鳴門海峡の徳島県、カツオの高知

両者バチバチのメンチの切り合い

やんのかぁオラァ

とも言いかねないのっぴきならないこの状況


言いたいことは分かる


主役は誰かでしょ


関西は良かった、大阪ってインパクトあるしね、万博も控えてる上

大阪と京都を中心に

万博のお客を地方の観光に流れるルートを開拓し

募金協力も完璧で兵庫、滋賀、奈良、和歌山、三重県に至るまで万博の中でも地方の魅力をアピールに繋げる盤石ぶり

既にフィナーレまで完璧な出来レース化してる


しかし、こちらはどうだ、一触即発

私があんなに嫌ってた戦争始まる五秒前やないかーい

助けてー、樋口くーん


四国会議で、決めなければならないことは、大まかに3つ

中心地をどこにするか

開始式セレモニー

閉会式セレモニーはどこにするかだ


つまり、1県がババを引く

その結末やいかに


結果は

中心地を徳島県が

開始式を高知県

閉会式を香川県

メインサブを愛媛県が担うことで落ち着いた


なんだメインサブって


要するに、中心地の高知県のサポートをしつつ、

開始式や閉会式をサブセレモニーで盛り上げるという良いとこ取りだ


愛媛県はしたたかだった

みんなに、譲るよ、譲るといった姿勢を見せ、実は自分が一番美味しいとこ取りをする

正にマニピュレータ


マニピュレータとは

人を操る天才である

まぁ、要は勝つためには手段を選ばない、敗北しない天才である


私から見たら、実質、愛媛県の一人勝ちにすら見えた


ベルメールさん

みかんって美容だけじゃなく

頭も良くなるの?

何気にナミもずる賢いし


会議で役割がハッキリとはしたが、どこか一体感を感じれないこの関係

気のせいだと思いたいが


大丈夫か、四国


そんな中、

まこと、しなやかにネットでのある呟きが彼らに火をつけた


しょせん、四国募金って、大阪万博を控えている近畿地方募金の前座だよね


この呟きは、またたく間に広がり、


四国前座


が一時、ツイッタートレンド1位を取る程であった


実際、ワイドショー等でも、募金ネタなどは飽き飽きしてきたのか、取材の数も減り、注目度も落ち始め、真新しい万博への情報発信がメインとなっていた


それが、四国の反骨魂に火をつけた


このままじゃ、絶対に終われない


俺達は近畿地方の前座じゃない


絶対に負けられない戦いが

ここにある


再び、四国会議が開かれた

今後の我々の行く末はみたいな形で


方向性が見えないまま


自分の進路がちゃんと決められない、優柔不断な若者みたいに自分探しの旅に今すぐ逃げ出しそうな感じの追い詰められた会議だった


募金開始までの時間はあまり残ってない

すでに準備期間はロスタイムに入っているも同然だ


メインユーチューバーの私に対しても

その圧は向けられた

我々はこれからどうするべきか


確かに、今まで通り、地方のPRだけでは、世界の布陣を要する大阪万博の注目度には万に一つも勝ち目がなかった


私も、テンパってたのか、冗談で

だったら、こっちは北海道から沖縄までの日本万博みたいなやつを四国全域でやってジャイアントキリングかましますか

と口を滑らしてしまった

時間がないと分かっていたのに


それだっ!(四国知事)


えっ?(私)


会議後、直ぐに

丸ごと日本

という、キャッチスローガンを片手に


愛媛県は沖縄、九州地方と

徳島県は北海道と

香川県は東北、北陸地方と

高知県は東海地方とコラボし

大型イベントを開催することになった


例えば、沖縄県とコラボする愛媛県は、沖縄パブリオンブースを広域に設置し

実際の地元の有識者を誘致して

ミニ首里城や、ミニ美ら海水族館、沖縄の特産物品店や飲食店、エイサーなど、沖縄の地域アピールに繋がるパブリオンを創設した

もちろん、沖縄県も自県のPRにも繋がるし、人材交流にもなるため積極的に協力してくれた


他の地方も同様に北海道パブリオン

東北地方パブリオン

北陸地方パブリオン

東海地方パブリオン

九州地方パブリオンを大型に設置することで、


大阪万博には引けを取らない

正にサムライブルーの似合う日本代表

と呼ばれてもおかしくない

クオリティーの仕上がりだった


各地方が四国に対してこうも協力的なのには理由があった


なんと、私が理由だとのこと


募金活動や地方のPR活動、数々の政策やボランティア、コロナ禍での活動など、いろいろお世話になったからだとのこと


確かに、協力している地方は全部、私がお世話になったところだ


こういう時に、仕事は一つも手を抜くことはなく、全力でやっといて良かったと思う瞬間だった


気づいたら、涙が頬をつたっていた


人の想いは繋がるのだ

どこまでも


見てるか、世界

これが日本だ

和の国だ


丸ごと日本

のイベントには

サッカー日本代表の長友選手も招待され

一言いいですか

ブラボー

を頂く程だった


ただ、こういった、大型イベントは直ぐに開催出来るわけもなく、準備期間がいるため

大阪万博と同時期に合わせ

四国と近畿地方募金を同時に開始することになった


二つの地方が募金活動を行う前に

愛媛県から一つの提案があった


それは大阪万博と提携して、観光客が二つのイベントを同時に楽しめる交通ルートや旅行パック創設の提案だった


確かに、今回の訪問客は海外からも多数の人が来客し長期間イベントを行う予定だ

ただでさえ分かりにくい交通手段

それを明確かつ少しでも両所を行きやすく出来れば

集客や募金、地方のPRに繋がること間違いなし


さすが、マニピュレータ愛媛

負けない戦い方を熟知している


昨日の敵は今日の友

とは、よくいったものだ


直ぐに、大阪万博関係者と調整し、交通整備を整えた


政府もここぞとばかりに

補正予算を組んでくれ

急ごしらえの丸ごと日本プロジェクトに

急ピッチで協力を惜しまなかった


このダブル大型イベントの期間は

4月から10月までと長期的、広域的規模の計画となった

募金の全国制覇が夢の私も

さすがにプレッシャーがエグいこともあり

イベントと募金活動の流れが落ち着くまでは

吐いたり、眠れない日々が続いた


しかし、ここを乗り切れば

全国制覇も残すは中国地方と関東甲信越地方を残すのみ


今まで、遠すぎて見えなかったゴールという頂上の頂きに

輪郭が帯び始めていた


はずだった


しかし、予想していた自体とは急展開することになった

ダブルビッグイベントが開始してから

5月の半ば

4月の訪日外国人の年間累計数が1500万人を突破した


さらに、まだまだ、増加傾向の見込みだという


大阪万博と丸ごと日本のイベントのお陰で、近畿地方、四国地方は経済効果もそりゃあどえれぇことに

おったまげーなことになっていた


それぞれの地域の募金目標も4月の時点でオールクリア


その機会を逃すほど、他の自治体は甘くなかった


急遽、残りの地方も、ここぞとばかり、大阪万博と丸ごと日本のイベントと同時期に募金活動と地方のアピールを開始したのだ


もちろん、ホテルや旅館が足りるはずもなく、急遽民泊の整備がすすめられ、民泊の法案が可決し

国が支援するために再度、補正予算が組まれた


敢えて、言います

再度、言わさせてもらいます


ミラクル

と

いや

ブラボーと


民泊や訪日観光客増加は確かに良い面ばかりではなかった


犯罪の増加や民泊トラブル、ホテルの金額上昇、イベントや外国人トラブル、ポイ捨てによるゴミ問題、募金活動地域外の観光客減などなど


確かに、デメリットがあったとは言わざるを得ない


しかし、そのデメリットを遥かに覆すくらいのメリットがあった

経済活性化

最先端技術のお披露目

年基盤(インフラ)整備

ボランティアの拡大や地域交流

海外交流や人脈作り

国際的認知度の上昇や観光促進

地域アピールや競争や協力による活性化

もう、たくさんあり過ぎて

わけがわからんくらいの

手のひら、いーーーっぱいのメリットがあったんだよ


分かったかな、良いこのみんな


この、募金活動が与える、地域と経済効果への影響及び国の今後の政策と課題、作者が意図するもの

はいっ、テストに出るからしっかり覚えて帰れよ


ぐらい、日本は勢いづいていた


あまりにも、世界中から日本に観光と注目が集中するため

日本への渡航を制限する国が出たり

対日本での輸出、輸入制限をしたり

国連でのそれら行き過ぎた日本に対する問題の提起など


世界の中心はいつの間にか

オーストラリアのエアーズロックから

北緯34度39分12.7秒、東経135度23分11.1秒

へと移りつつあった

興味があったら、座標を確認してみよう


その年の、日本の出生率が1973年以来の

初の前年度比上昇を発表

その年の、国のGDPが2位に返り咲き

世界幸福度ランキングが29位に上昇するという


黄金の国

ジパングの名を

欲しいままとしていた


そして、記念すべき、その年の8月27日

一番、地方PRに拘らないとの理由で募金のスタートが遅れた東京が

最短の募金開始3日で目標額を達成するという偉業を果たした


一人の無名、多重債務ユーチューバーが

沖縄にある小さな嘉手納町という町から始めた

1人10円募金は

世界初の全国民、募金達成という

全国制覇の栄冠を

私達は手にしたのであった


反対派は絶対にこう言うだろう

私は募金してないと


ただ、これは私の一方的な私的見解だが


誰かが、貴方のために、もしくは貴方の代わりに募金してくれたら、それはもう貴方が募金したことになるのだと思う


赤ちゃんが自分で募金できないように

病気で部屋から出られない人

募金したくても出来ずに亡くなった人しかり


誰かのために、誰かの代わりに募金をする

その繋がりがあったからこそ

日本はこの偉業を達成できたのだ


一方的な殺意は誰にも止められない


同じように一方的な愛も誰にも止められないのだ


日本、いや世界のどこかで貴方を必要としてくれる人が必ずいるはず

その答が、今回の募金であったと私は説く


それでも批判したい人に一言


そこに愛はあるんか?



募金達成から一ヶ月後


一通の連絡が届いた


国民栄誉賞に私が認定されたこと

授与式は大阪万博の閉幕セレモニーとともに行うという報告であった


感無量に浸る中、私のスマホから着信が鳴り響いた


それが、私が犯行をすることになったキッカケでもあり全てでもあります


私は、その後、万博の閉会式で表彰される前に

警察に逮捕されるハコビになった


罪は横領罪だ


私は、国民が

いや世界が協力して集めた募金に手をかけたのだ


私は、その後、警察から厳しい取調を受けたが

決して犯行の理由を語らなかった


電話の相手がピアニストの元カノの母からであり


彼女がアメリカで重度の心臓病の発作が起こり

すぐに心臓移植が必要であること


そのためには、正規のルートでは間に合わず

裏のルートを使って、割り込みをするため

円にして4億円以上の大金が今すぐに必要とのこと


元カノの母から電話があった時の私の資産は2億近くあったが

さらに借金をしてでも工面できた金額は

3億円にも満たなかったこと


そこで、総合募金会議で

国民に募金の総額を実際の現金にしたら

どれくらいになるかのイベントを提案し


イベント当日、心臓移植に足りない金額を持ち逃げし、全額を指定の口座に振り込んだ

その数日後に逮捕されたことなど


口が裂けても告白はしなかった


全てが任務だった


募金すること

地方活性化

国を一つにすること

世界に誇れる日本にすること


友を裏切り

恩人を裏切り

地元を裏切り

国を裏切り

世界を敵に回した


重度のうつ病という病に侵され、抗鬱剤で無理に延命し

最愛の元カノに軽蔑されるのを覚悟で


血の涙を流しながら

感情の一切を殺して

元カノのために日本の誇りとも言うべき

募金に手をかけた


その意味が分かるか


私にとって

元カノの命は


地球よりも重かったのだ


今は、もう世界中の人々からの非難を浴びるより

元カノが手術を終え

目を覚まし、私を非難することの方が

恐ろしいとさえ思う


私は眠りにつこうと思う

彼女の瞳に光が戻ることを願いながら

二度と覚めない眠りへと


この度は、私事にたくさんの皆様に、ご迷惑及び不安や絶望を与えた事を深くお詫びいたします


皆様に多大なご迷惑をおかけしましたが、私は自分の行いに対し、一切の悔いは御座いません


この罪を背負って、地獄への旅立ちといたします


彼女のピアノの得意曲であった

レクイエム(鎮魂歌)

を胸に抱いて


これは、遺書である

この世には残さない


私の心の中の

遺書である

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