ノスタル中学校
掲載日:2026/05/29
瞳は揺れていた。やけに楽しかった。起きる未来の曖昧さが興奮させた。
−なんの冒頭でしょうか。
まだ体は若かった。空に上げたピン球は小さく浮ついて静かにラケットに触れる。その刹那、微妙に外れた軌道が中央に舞い飛んでくる。それを歪んだ笑顔で返り討ちにする。回転もどこへ飛ぶかも分からない。
ただ打ち返すだけ。
球は激しく跳ね返って向こうへ飛ぶ。それを相手は笑い声と共に点高く打ち上げる。
そこで風が吹く。
軌道を無視して盤に落ちた球は理解できない跳ね返りを見せる。
体制を崩してそれを捉える私の目には輝きがある。
いつか忘れた青春。もう取り戻せない幸せ。
それを見つけて私は目を閉じる。




