第四章:不完全な色彩(3)
夜、和真が重い足取りで帰宅すると、結衣が玄関で待っていた。
和真の作業着には、今日塗ったばかりの青いペンキが点々とついていた。
「おかえりなさい、和真くん。……今日も、お疲れ様」
「ただいま、結衣。……少し、ペンキの匂いがきついかな」
和真は、自分の汚れを気にするように、少しだけ彼女から距離を置いた。
「ううん。……この匂い、和真くんが頑張った証拠だから、好きだよ」
結衣は微笑んで、和真の手から重い鞄を受け取った。
和真は、彼女のその僅かな笑みに、今日一日のすべての疲れが癒えるのを感じた。
「結衣、今日は……大丈夫だった?」
「……少しだけ、怖くなった。でも、和真くんの絵を見てたから、大丈夫」
二人は、狭い食卓を囲んで、質素な夕食を共に摂った。
そこには、かつての「救う、救われる」という歪な上下関係はなかった。
お互いの弱さを隠さず、不格好なまま支え合う、等身大の二人だった。
「和真くん。……私、明日から、近くのパン屋さんで働いてみようと思うの」
「えっ……? 無理はしなくていいんだよ、結衣」
「無理じゃないわ。……私も、あなたの隣で、一緒にこの街の色を塗りたいの」
この作品はAI40%、筆者60%で書きました。
原案100%筆者。
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