第四章:不完全な色彩(2)
一方、部屋で一人過ごす結衣もまた、目に見えない敵と戦っていた。
外泊から正式な退院へと移行したものの、彼女の心は依然として不安定だった。
不意に聞こえる救急車のサイレン、あるいはテレビから流れる医療ドラマ。
それだけで、彼女の呼吸は浅くなり、あの夜の血の匂いが蘇る。
「……はぁ、はぁ、……苦しい……」
結衣はキッチンでうずくまり、短くなった自分の髪を無意識に掻きむしった。
かつてのように、自分が誰かを救わなければならないという強迫観念。
そして、自分を救ってくれた和真の重荷になってはいけないという焦燥感。
その二つが渦となり、彼女を再び暗闇へと引きずり込もうとする。
ふと、テーブルの上に置かれた和真のスケッチブックが目に入った。
そこには、昨夜彼が描いた、穏やかに眠る自分の顔があった。
結衣は震える手でそのページをめくり、彼の拙い、けれど温かな線をなぞった。
「大丈夫。……私は、独りじゃない」
自分に言い聞かせるように、彼女は何度もその言葉を繰り返した。
彼女はゆっくりと立ち上がり、半分まで飲み干したコップの水を飲み干した。
この作品はAI40%、筆者60%で書きました。
原案100%筆者。
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