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第三章:標の残像(3)


 退院後の和真は、迷うことなくその施設がある街へと向かった。


 手元にあるのは、僅かな手荷物と、あのスケッチブック。


 そして、病院を去る前に、徹夜で描き上げた「最後の一枚」だった。


 それは、あのアパートで描き上げた絶望の絵の、続きだった。


 鎖の絡みついた桜の木。その下で、短髪の女が空を見上げている。


 その空は、もはや真っ黒な闇ではなく、明け方の群青色を帯びていた。


 和真は、かつての傲慢な自分を捨て去る覚悟で、その街の土を踏んだ。


 彼女を「救う」ために行くのではない。


 自分という半分を、彼女という半分と、もう一度だけ繋ぐために。


 施設の門の前に立った時、和真の目に入ったのは、


 あの写真と同じ、花壇の手入れをする彼女の背中だった。


 夕暮れ時の光が、彼女の短い髪を、優しく照らしている。


 和真は、深く息を吸い込み、彼女の名前を呼ぼうとして、喉を詰まらせた。


 もし拒絶されたら。もし、自分が彼女を再び壊してしまったら。


 恐怖が足を止めようとする。けれど、和真は一歩を踏み出した。


 彼の手には、言葉よりも雄弁な、二人の真実を映した絵が握られていた。


 和真は静かに、けれど確かな足取りで、彼女の背後へと近づいていった。


この作品はAI40%、筆者60%で書きました。

原案100%筆者。

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