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第二章:フルカラーの停滞(21)


 ある夜、和真は月明かりの中で、結衣の横顔を見つめていた。


 彼女は眠りながら、幼い悠真の名前を呼び、小さく啜り泣いている。


 和真はその涙を指で拭い、自分の唇を寄せた。


 その涙は、苦く、鉄の味がした。


 僕たちは、最初から間違っていたのかもしれない。


 病院という「異常な場所」で出会った僕たちが、


 「普通の幸せ」という色鮮やかな絵を描こうとしたこと自体が、


 救いようのない、傲慢な間違いだったのではないか。


 結衣の短くなった髪が、和真の頬に刺さる。その痛みが、


 今や彼にとって、唯一の確かなリアリティだった。


 社会から切り離され、色彩を失い、ただ泥の中で抱き合う二人。


 この閉ざされたアパートは、救済の場所などではなかった。


 それは、終わりのない停滞という名の、二人だけの緩やかな処刑場だった。


 和真は結衣の身体を強く抱きしめ、二度と来ない明日を呪うように、


 深い、深い闇の底へと、意識を沈めていった。



この作品はAI40%、筆者60%で書きました。

原案100%筆者。

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