第二章:フルカラーの停滞(16)
深夜二時。和真は、泥のような疲労に足を引きずりながら帰路についていた。
復職した制作会社での仕事は、想像を絶する過酷さだった。
上司の怒号、終わりのない修正。以前の自分なら、とっくに壊れていただろう。
それでも踏みとどまっていられるのは、家に帰れば結衣がいるから。
彼女の美しい黒髪が、僕の暗い世界を照らす唯一の標だからだ。
「……結衣、ただいま。遅くなってごめん」
和真は、重い玄関のドアを静かに開けた。
リビングの明かりがついている。彼女はまだ、起きて待っていてくれたのか。
安堵の色を浮かべて部屋に入った和真の視界に、異様な光景が飛び込んできた。
フローリングの床に、真っ黒な、生き物の死骸のようなものが散乱している。
和真は息を呑み、その中心に座り込む影を見つめた。
そこには、和真の知らない「何か」がいた。
ベージュのコートを血のような雨で濡らし、虚ろな瞳で宙を見つめている女。
彼女の頭部は、鋭利な刃物で無残に刈り取られ、
斑に白っぽい地肌が露出している。
床に散らばっていたのは、生き物の死骸などではなかった。
和真が何よりも愛し、執着し、彼女の魂そのものだと思っていた、
あの美しく、誇り高い漆黒の長い髪だった。
この作品はAI40%、筆者60%で書きました。
原案100%筆者。
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