表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/77

第二章:フルカラーの停滞(8)


 異動の手続きを終え、結衣は虚脱したままナースステーションに戻った。


 既に彼女の私物はまとめられ、棚の一角がぽっかりと空いている。


「……お疲れ様、鈴木さん。小児科なら、あんな叫び声聞かなくて済むわよ」


 先輩看護師の一人が、慰めとも嘲りとも取れる声をかける。


 結衣は返事をする代わりに、深々とお辞儀をした。


 きつく結い上げた髪の重みが、今は首を折らんばかりに重くのしかかる。


 心療内科は、彼女にとって自分の「救い」を確認するための鏡だった。


 そこから引き剥がされることは、自分の存在価値を剥奪されるに等しい。


 病院の廊下を歩きながら、結衣は何度も壁に手をついた。


 小児科という、命の灯火が消えそうな子供たちが待つ戦場。


 今の自分に、その子たちの「重み」を支えるバケツの余裕など、残っていない。


 けれど、誰からも必要とされていない自分に戻るのが、何よりも怖かった。


「……働かなきゃ。和真くんのためにも、私の、ためにも」


 彼女は自分に言い聞かせるように呟き、エレベーターの鏡を見た。


 そこには、昨夜の嵐でボロボロになった自分を押し殺した、


 蒼白な顔の「装置」が映っていた。


 和真には、言えない。


 自分が「不適格」だという烙印を押されたなんて。


 家という名の最後の聖域を、この敗北感で汚すわけにはいかないのだ。


この作品はAI40%、筆者60%で書きました。

原案100%筆者。

指摘や感想とか頂ければ励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ