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第二章:フルカラーの停滞(2)


「それじゃあ、行ってくるね」


 結衣さんは玄関で、いつもの完璧な微笑みを僕に向けた。


「……うん、行ってらっしゃい。夜、駅まで迎えに行くよ」


「無理しないでね。今日は面接の準備があるんでしょ?」


 彼女の優しい気遣いが、今の僕には少しだけ痛かった。

 バタン、とドアが閉まる音が、静かな部屋に響き渡る。

 

 僕は一人、食卓に残された空の食器を見つめていた。

 昨日届いた、三社目の不採用通知(お見送りメール)が、開いたままのノートパソコンの画面で冷たく光っている。

 

 『誠に残念ながら、今回はご希望に添いかねる結果となりました』

 

 定型文の冷徹な言葉が、僕の存在そのものを否定しているように見えた。

 広告代理店でのキャリアは、心身を壊して退職したという事実によって、今や「欠陥」としてのレッテルに変わってしまっている。

 

 僕は重い腰を上げ、スーツに着替えた。

 結衣さんが働いている間、僕は自分の価値を証明するために、

 再びあの「色彩のない戦場」へ出向かなければならない。

 

 けれど、クローゼットの鏡に映る自分の姿は、あの病室にいた頃と、どれほど変わっているのだろうか。

 結衣さんの献身によって作られた「健康そうな外見」の裏側で、僕の心は、未だにあの白い天井を見つめたまま立ち止まっているような気がした。


この作品はAI40%、筆者60%で書きました。

原案100%筆者。

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