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第一章:標の残像(23)


「和真くん。私、まだ怖いんです」


 結衣さんが、僕のコートの袖をぎゅっと掴んだ。


「仕事に戻れば、また私は私を縛り付けて、笑えない自分に戻るかもしれない。


 貴方を支えたいのに、貴方に寄りかかって、重荷になってしまうかもしれない」


「いいですよ、重荷で。僕だって、まだ一人で立つのはやっとだ。


 だから、二人で寄り添って、なんとかバランスを取っていけばいい」


 僕は彼女の細い肩を抱き寄せた。


 結衣さんの身体は、驚くほど小さく、震えていた。


 完璧な看護師という鎧の下で、彼女もまた、


 誰かに「貴方のままでいい」と言われるのを待っていた子供だったのだ。


「……これから、どこへ行きましょうか」


 僕の問いに、結衣さんは顔を上げ、濡れた瞳で僕を見つめた。


「和真くんの、住んでいる街が見てみたいです。


 そこにある、和真くんの日常の『色』を、私に教えてください」


 僕は頷き、彼女の手を引いて立ち上がった。


 舞い散る桜の絨毯を踏みしめて、僕たちは歩き出す。


 後ろを振り返れば、そこには僕を壊した過去と、僕を救った白い病院がある。


 けれど、前を見れば、そこには名もなき明日へと続く道が伸びていた。


 ブラック企業の濁った青、病室の無機質な白、そして桜の残酷なまでの桃色。


 いくつもの色が混ざり合い、僕たちの新しい季節が、今、産声を上げる。


 この先に待ち受けるのが、どんなに険しい断崖だったとしても、


 隣で揺れる黒い髪が、僕の羅針盤になってくれると信じていた。


 僕はまだ、君を愛して居るのだろう。


 この時の僕は、まだその愛の「本当の重さ」を知らないまま、


 柔らかな春の光の中へと、深く、深く足を踏み入れた。



この作品はAI40%、筆者60%で書きました。

原案100%筆者。

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