↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
47/62

虚構の帝国に落ちる影 — ロシア極東の静かな崩れ

ロシアは巨大な国だ。

だが、その巨大さは時に脆さでもある。


極東は広すぎ、

中央は遠すぎ、

兵力は足りず、

経済は疲弊し、

政治は混乱し、

情報は歪み、

忠誠は揺らぐ。


そして今、

モスクワ防衛のために極東から兵力が引き抜かれ始めた。


それは、

ロシアの内部崩壊が静かに始まった

という合図だった。

◆ ロシア極東・軍管区司令部

薄暗い司令室。

地図の上には赤い線が引かれ、

極東からモスクワへ向かう部隊の移動が示されていた。


司令官が低い声で言った。


「……本当に、極東から引き抜くのか?」


参謀が苦い顔をする。


「中央からの命令です。

モスクワの防衛が最優先だと。」


司令官は机を叩いた。


「極東はどうなる!

中朝人民共和国との国境は不安定だぞ!」


参謀は沈黙した。


◆ モスクワ・国防省

国防省の会議室では、

焦りと混乱が渦巻いていた。


「中朝国が弱っている今こそ、極東を固めるべきだ!」

「いや、モスクワが危ない!」

「FSBが粛清を始めた!」

「オリガルヒが逃げている!」

「軍の忠誠が揺らいでいる!」


誰も状況を把握できていなかった。


そして、

極東の部隊が“トロール”と“オーク”と呼ばれるほど荒れた兵士で構成されていることも、

中央は理解していなかった。


◆ 中朝人民共和国の影

以前、中朝国はロシア極東に対して

“友好”という名の圧力をかけていた。


経済協力


資源取引


軍事演習


国境の共同管理


だが、影の日本が中朝国の虚構を暴き、

国際包囲網を作り上げたことで、

中朝国は極東への影響力を急速に失った。


その結果――

ロシア極東は“支え”を失い、

内部の不満が一気に噴き出した。


◆ 秋田・川反の料亭

阿久津博は、

ロシア極東の兵力移動の報告を聞きながら、

静かに冷や酒を口に運んだ。


詩織が言う。


「ロシアが極東から兵力を引き抜いています。

モスクワ防衛のためだとか。」


阿久津はため息をついた。


「あいつら、また目先のことしか見てないな。」


詩織が首を傾げる。


「極東が空くと、中朝国が……?」


阿久津は笑った。


◆ ロシア極東・兵士たち

兵士たちは、

モスクワへの移動命令を聞いてざわついていた。


「なんで俺たちが中央の尻拭いを?」

「極東はどうなるんだ?」

「中朝国がまた国境で動いたらどうする?」

「FSBの粛清が怖い……」


彼らは忠誠心ではなく、

環境と事情で立場を分けられただけだった。


そして、

その不満は静かに積み重なっていった。

ロシアは、モスクワ防衛のために極東から兵力を引き抜いた。

それは、国家の内部崩壊が静かに始まった合図だった。


中朝人民共和国は、影の日本の文化・情報・経済の侵食によって

国民の心が揺らぎ始めていた。


ロシアは極東を守れず、

中朝国は国民を守れず、

世界は静かに変わり始めていた。


影の日本は、国家を壊さない。

壊せば混乱が生まれるからだ。


望むのは――

国家の心を変えること。


影の戦争は、まだ続く。

だがその影は、未来を壊すためではなく、

未来を作るために落ちている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。