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捨てられない性格

阿久津博って、どこかだらしないところがあると、筆者なりに予想していたんだけど、最初のプロットでは袖口のボタンをきちんと嵌められないくらいで、周りの女性に直してもらう程度だったはずなんだけど、他の小話と整合を取ろうとするとこのくらい尖っていないと無理でしょうと、「レインマン」に近い人物になってしまいました。その特性と鍛えられた観察力や俯瞰する力が、これから二つの国家を翻弄していく予定です。うまく書けることを祈っています。


急遽秋田市に派遣されていた、内閣調査室からの出向調査員が、心の底から嫌な思いをしたというような表情をしながら報告を始める。

「阿久津博。一言で言えば、異常者ですね。奥様が現役の看護師長だから、生活が成り立っているようなもので、本人は恩師から譲り受けた?住まいの傍にある繁華街でほぼ毎日徘徊して、のんだくれている最低な男です。あだ名が川反鮫で、泳ぎ回っていないと死んでしまうと噂されているそうです」

女性の敵を目の当たりにし、憤慨しているようであった。

「一応、情報提供者ですから、こちらも身分を明かして訪問しましたが、住まいもひどい状態で、書斎なんて足の踏み場もないゴミ屋敷状態でした」


どうやら案内された部屋で、座布団を勧められた際に、周囲の汚さに相当葛藤してから座ったらしい。

「だいたい、恩師の遺した書籍を読みたいからって、家屋敷まで譲ってもらうってどういう話ですか?法定相続人たちも、黙ってそれを見ていたという」

不条理の塊を茶請けとして出されて、味わいもせずに飲み込んできたような憤りぶりだ。


「まあ、お怒りはほどほどにして、何かわかったのか」新垣一佐の誘導に、少し冷静さを取り戻し

報告を続ける、

「甥御さんが薬物中毒で命を失った話は真実だったわ。それについては淡々と残念そうに話していたけど、どこか演技じみていたわね。無理に冷静に哀しみだけを語るというか?そして、情報に近づいた理由は、薬物の出どころや流通を支配している組織への興味で調べているうちに、例の詐欺サイトにたどり着いて、しかもその裏側にある敵愾心を煽るシステム構成にも気づいてしまったと事前情報通りの回答だったわ」


「その甥御さんの死の原因を、中朝国と見ているのかな?」

「まあ、周知のとおり密輸入にも販売網にも、かの国は関わっているわけですし、若者への蔓延の原因も彼らの息のかかっているグループが巷で行っているのだから、誰か個人に恨みを募らせるよりは健全かつ分析力はさすがと言えるわね。そして冷静だったのに違和感を感じてしまったのは事前情報で、仲の良かったお姉さんが遺した、その子への責任感を相当に感じていたはずと知っていたから。それがまるで、きっかけさえあれば溢れ出し引火する可燃物を無理やりしまい込んだかのような、大人しさだもの、あれは彼のミスね。少しくらい怒りを見せた方が自然だったわ」


プロファイラーとしての自信を、垣間見せながら遠藤は言葉を続ける。

「異常者という理由はね、他にも有るの。何かの説明の時に、そうそう資料がといって本の山の中から一冊の辞典を出してきて、ひとめくりで当該のページを開いたの」

「それは?」

「確定ではないけど、サヴァン症候群か瞬間記憶能力か、何かの能力持ちね」

しばし、彼らの中で情報の再構築の時間が流れた。



「それはイチから分析しなおしだな」新垣が、結論をチームへと告げる。

「マジで自力で国家規模の陰謀を見つけ出して、ゲームのように対抗策を実施中、その方向性でデータを再評価だ」


「それと」遠藤が言葉を挟む。

「彼はいわゆる捨てられない性格よ。食品パックを洗って種類ごとにストックしているのを見たわ。もちろん包装紙や紙袋も、ああいう種類の人は情報もすべてを取り込んで整理して、何かの機会に膨大なアウトプットを行う傾向があるわ。それも念頭にして」

「ありがとう。助かる」

チームの一人が、遠藤を労った。本当は、お礼に食事でもと続けたかったのだろうが、今はタイミングじゃないと懸命な判断を下したらしい。


「人間関係にも、捨てられない性分が?」新垣が、調査員に向かって疑問を述べるが、彼女は力無く笑みを浮かべた。

「私があの男を嫌いなのは、それもよ。正妻と妾の同衾まではいかないでしょうが、以前に関係を疑われた女性が今も出入りしているなんて…」

明確な敵意が、北の方へ向けられた。

(この子を狙っている若い連中は大変だな。身を慎まないと、命に係わるかもな)


その予想は数年後に的中し、大きな事件となるのだが、その話は割愛する。

そして筆者は考える。群像劇って、勝手にキャラたちが動き出してフラグまで生み出すのは何故だろうかと。

そして筆者視点でも見ることのできない、未来に彼らが再び絡み合う未来を予感して仕方ないのは何なのだろうと…

個人的な出来事ですが、持病の悪化の理由が少しわかりまして、改善のための投薬等の処置が始まったのですが、一日目と二日目と生活のリズムに乗せることが出来ず苦労しています。だって夕食後二時間以上してから睡眠薬を飲むなんて、起きて無いし、ちょうど目が覚めて活動を始める時間帯で、理性で生活を律することが出来ない弱さに(書きたいアイディアが有れば寝れない。体が痛いと家事をしたくなる)どう折り合いをつけていくのか、諦めずに頑張りますが…

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