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排外主義?巷に蔓延する憎悪とそれを喜ぶ輩

酔っぱらって打ち込みました。修正は素面の時に、すみません。

確かに平成令和と近隣の他国民への批判や悪感情は醸成されてきた。

軍事作戦を用いずに侵略浸透するためには悪手であるはずなのに、それを誘導してきたのは実は中朝人民共和国をはじめとする近隣の国々である。

お花畑な思考ならば、侵略したい国家があれば、そこにシンパを増やすのが定石であろう。

しかし、歴史上数々の侵略国家が行ってきたことは、味方を増やすことと、敵対勢力の育成でもある。

例えば偽旗作戦を得意とする北の大国などは、自国系のマフィアを使ってまで自国への敵対世論の育成にも注力してきた。なぜならば、敵対者の居る隣国は何かと都合が良いからだ。

ウクライナ戦争は、ドンパス地域のロシア語話者が迫害されているとの口実で始まっている。

そこで注目すべきは、ウクライナ国内ではルーツ及び母語による差別がほとんど無かったはずが、いつの間にかロシアの侵攻に備え、ロシア語話者も排斥するべき的な世論もいつの間にか蔓延していたことだ。

立場や出自の違う市民同士を煽ることは、簡単なこと…

当時、国内政治に疲弊していたウクライナは、高度な政治戦にはあまりに無力であった。

全ての事象がロシア由来とは言えないまでも、暗躍していた勢力を見る限り、その影響度を皆無とするわけにはいかないあからさまな関係性すら見て取られた。しかしロシアは戦争では無い、特別な軍事作戦を標榜し、隣国へ攻め込んでいた。本来これを抑止するはずの美国の対応は儚く、ロシアの想定内の対応におさまっていた。


「草共の準備も万端であろうな」

諸作戦の責任者である、中朝の将軍が周囲に確認を行う。

もちろんのこと、「是」以外の返答をなすものなど居ない。

「順調に我が国への嫌悪、猜疑は育成されているようです」

副官待遇の将校が、仕方なく答える。

連帯付きの政治将校が控えている限り、シナリオを外れた問答はしがたい…


将軍は満足そうに頷くと、人の横顔にも見える地方の地図を仰ぎ見ると、ほくそ笑む。

「自由とは言うが、社会のためにならない感情さえ野放図にしていると、付け入る術を我々に与えるか…将軍様の戦略に誤謬は無かったということかな」

「当然のことです」

政治将校が口を挟む。

「長年、怠惰の中に生きてきた日本と生きるために泥を啜ってきた我らと同じ精神性を持てるはずも有りません」

今にも金王朝萬世が始まりそうな、テンションである。

彼は周囲を睥睨すると、自らが神性を纏っているかのように断言を行う。

「無防備な日本は、政治的にも我が同法が妨害を行い、軍事的にも何一つ有効な行動を起こせない脆弱国家だ。この世の尊崇たる将軍様の作戦の通りで有る。総員傾注!」


潜水艦内に緊張が走る。

「将軍閣下の采配のすべてが的中している。作戦通り、第二段階に移行するものとする」

続いてシナリオが有ったかのように、指揮官すら知らなかった事態が艦内に沸き起こる。

「将軍様、万歳!」

「中朝人民共和国、万歳」

もう戦争に勝ったかのような、喜びぶりである。

将軍はさもありなんと鉄面皮を維持していたが、副官は予想外だったようだ。

動画撮影班が周囲を撮影しだすのを見ながら、上司に確認を行う。

「では、予定通り浮上し、ボートの発進を行うということでよろしいでしょうか?」

その時、VLF通信担当者からの急報が告げられた。

「将軍!ターゲット1での延滞、ターゲット2でのロスト、想定外が起きています」




市ヶ谷近郊の政府機関

「だから、何でそこに彼らが居るんだ?」

この世の不条理をすべてサプリにして、訓練の後に飲ませればこんな表情に有るのであろう表情で、○○は呻いた。

たった先ほどまで緊急事態宣言の発動を政府に進言するべく、召集されていたメンバーの多くも同じ気持ちのようだ。狐に包まれたような、ていうか狐に包まれるのは、意外に気持ちいいのかという表情をして、それぞれの持ち場に立ち尽くしている。


逐次、報告は入ってくる。

場所は東京が核攻撃を受けても30分は戦闘指導が出来るよう設計されたシェルターの中で有る。

「もう一度、全員がわかるよう、報告を頼む」

制服組のトップとなった〇〇が、改めて報告者に再度の報告を求めた。

「はい、八戸方面で自然発生したかに思えた反乱軍は、その隣県大館市への進軍途中で足止めされているようです」

報告者の表情も冴えない、当然である。戊申の役でも有るまいし、青森岩手の諸勢力が糾合するのも異常であるし、それが大館市での防衛線で阻まれているなど何の冗談であろう。不定外国人による騒擾どころの話ではない。


「すまないが、社外の方々にも判るよう、報告してくれないか?」

○○一佐は、己の困惑を押しつけながら、報告者である通信士に詳細を問うことにした。


「はい。本日未明、岩手県と青森県の新聞が、国家の大事に損耗されるのは、東北の住民である。今こそ大和朝廷の傍流を排斥し、本流である「難聴後継、〇〇」を正しき天皇陛下として担ぎ、仙台市に遷都すべしとの社説を発しております」

「更に、ローカルインフルエンサーが多数、SNS上で東北独立を標榜しています」

「まずいな」

眉を寄せて指揮官は唸った。そして、

「浮上だ」

彼は命令を発した。

「しかし、命令では…」

「その時と今とでは状況が違い過ぎる」

国籍不明潜水艦(事実としては解析済みであるが)を追尾していた自衛隊の戦力を、オープンにすることで抑止力とするつもりだった。

「統幕とつなげ、時間はたぶん無いぞ」


しかし、なぜ彼らがそこに居るのだ?

彼らとは現職自衛隊員も一部とする「同好の集い」と称して、秋田県側に集結している集団のことだ。

まるで青森岩手の動きを事前に察知していたかのように、要所に滞在している。

滞在?いや彼らは「サバイバルゲーム」に興じているのだ。

それも過去に例を見ない大規模なものだという。

「アナリスティックには、サバイバルゲームの主催者と開催地の詳細を調べさせろ」

背広組の誰かが命じているが、現在までに判明しているのは、一時高まっていた中朝国への憎悪を鬱憤を吹き払おうと自然発生的に有志が集めたらしい。

(そんなわけは有るか!)

誰もが心中で突っ込んでいた。

このタイミングでこのイベント。

山中で模造銃を持つ集団とクーデター予備軍が遭遇すれば、戦闘行為も起きかねない。

非常事態宣言が発せられるまでは、強制的に退去させることも難しい。

ならばやはり敵側の二の矢、三の矢に違いない。

東北独立に参加していた同胞を救うために、志願兵を緊急に派遣したとすれば、国連でも一定の言い訳となり得るし、侵攻してしまえば解決するのは戦力だけの話だ。

「こんな時、小説なら逆転の策謀が決まってザマミロ展開となるのですがね」

若いメンバーが冗談を口にする。

彼は知らない。

この国には「言霊」という概念が長らく信じられていることを。

そして彼自身がすでに、ものがたりのモブを演じていることを。





 


生きていて、すみません。

迷惑かけてます。

宮沢賢治先生の生家のように、北風を遮る杉並木が欲しいです。

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