〇〇年9月14日 東京都新宿区市谷本村町5−1 付近
昨日からの3日間は家庭内絶対安静のはずが、買い物に行くわ、花壇を作り出すわ、普段よりも忙しい休日を過ごしてしまい、さすがに今朝は妻からのキツイお叱りをいただいてしまいました。
反省し家庭内の作業も最小限に減らし、ひと眠りして目覚めて、さあ、ここから呑みに出かけるのは、絶対にしてはいけないことなので、頭の中で進行していたかの国の日本浸透作戦を文章化してみることにします。
「だから、一般人が復讐のため、日本を動かしているって?何の冗談なんだよ、それ?」
コマンドの指揮官が、当然のように尋ね返した。
彼の周囲には24時間警戒が行われ、事務次官や審議官も含めるものの制服組は選抜された者しか、近寄らせていない。
各部門では昨日予想外にもたらせられた驚くべき情報の精査が行われている。
「統合作戦司令部もすでに動いていると…」
本社の内部部局勤務となっているはずの若い男が答える。
彼は数枚の書類を指揮官に差し出すと、当該の一般人の写真を指差する。
「通報者と被疑者が同一とは、本社では誰がすでに動いているん?」
「あくまでも情報の精査ということで、全体の各部が、ただし意図的に独走している部署も有ると想定されています」
苦々しげに人事部局の男が、周囲でもある一定の方角に指先を止めた。
「それは、どちらの側に立った予備行動なのかな?」
「最悪は、実働部隊間での戦闘もあり得ると」
周囲が重い緊張で張りつめられる中、
「そもそも23日に発動されるはずの彼の国の動きが何故この時点で流出しているのか?」
背広組の重鎮が口を挟んできた。
彼の持つ常識では、このような事態が起こる確率は、神様自体が賭場に降り立ちサイコロを振るのと同義だからだ。
「一般人が国難を予見し、正確な敵の作戦とその対策を提言しただと!誰がそれを信じられるんだ?」
誰も口を開かないものの、その感想は誰もが抱いているものと同じである。
まず、そいつは本当に一般人なのか?
浸透作戦なんて、今現在も進行中じゃないかと物知りの方に…
ちょっとお待ちください。今回の作戦規模は、日本の一部の実質的侵略を視野に入れていて、最低でも内閣総退陣となるはずの作戦でした。と、過去形で描いている通り、すでに破綻しているのですが、東北と日本海側にお住いの読者様には、毎日十分な注意をお願い致します。