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『無能』と笑われた俺は保健体育で無双する。

作者: takAC

思いつきで書きました。産まれてきてごめんなさい。

 公立下根田中学校。

 この学校では定期テストによる結果が個人の価値の全てとされており、点数の低いものを未来の閉ざされた人間、『無能』とされてきた。


 そして、下根田中学に通う彼、頭内英知とうないえいちは一学期の中間テスト、五教科をあわせて【45点】、学年トップの『無能』だったのだ。


 中間テストの結果が出るまでは仲良くしていたクラスメイト達も、彼の合計点を見た瞬間、バカだ無能だ、メガネ掛けてるのにバカなんて詐欺だのと好き放題言い、彼のことを笑っていた。


「おい頭内!五教科で45点しか取れないお前が期末テスト、九教科だったら何点になるんだぁ!?まさか合計で100点に届かないなんてことはないよなぁ!?」


 そう言って英知のことを笑う彼、山本の五教科合計点は【352点】、平均70点を超えるそこそこ優秀なおとこである。


 「ふっ、山本。人の価値は合計点で決まるものじゃないぞ。それに期末テストは九教科、いいのかそんな余裕をかましていて。俺に捲くられる可能性、考えないのか?」


 頭内は己を無能と笑う山本に自身の期末テストへの自信を匂わせる。


「な、何言ってやがるこの『無能』!!俺様がお前なんかに負けるわけがないだろうが!!」


 山本は頭内から感じ取れる自信に一瞬たじろぐが、すぐさま頭内の五教科合計点を思い出し罵倒を続ける。


「五教科45点が九教科になったところでせいぜい80点そこらだろ!それともなにか!?九教科になった瞬間合計点数で俺を上回れるっていうのか!?あぁ!?」


 山本は頭内に詰め寄る。しかし頭内は冷静に、そしてクールに彼に言葉を返す。


「じゃあやるか……? 俺とお前の合計点バトルを……」


 勝ち目のないはずの頭内の自信に山本は怯むが、彼のプライドがこの勝負から逃げることを許さない。山本は頭内の勝負に受けて立つ。


「やってやろうじゃねぇか!!負けたほうは土下座だからな!これから期末テストの合計点が発表される!おまえはその瞬間この勝負を後悔することになるんだ!」


「ふっ、土下座の練習でもしておくんだな……」


 その瞬間、チャイムが鳴る。

 山本は眉間に血管を浮かばせながら自分の席についた。

 程なくして担任教師が来て期末テストの結果発表が始まった。


 下位から合計得点が発表されていくこの合計点発表。

 しかし一番最初に発表された人物は頭内ではなかった。

 まずこの結果にクラス中、そして山本がうろたえた。


「中間テスト合計得点45点ぶっちぎりの最下位の頭内が最下位じゃないだと?」

「あいつどんな勉強法をつかったんだ?」


 ざわざわとクラス内が揺れる。

 山本は落ち着きなくキョロキョロし、頭内の様子を伺う。

 頭内は眼を閉じ、ただ静かに結果に耳を傾ける。

 そして教師が順に点数を発表する中、事態は動いた。


「10位は山本、九教科合計点数631点だ」


 教師から点数が発表される。山本はテストの結果には満足しているが、納得していないことがある。それは頭内がまだ呼ばれていないことに対してだ。


「せ!先生!おかしいです!!頭内がまだ呼ばれていません!」


 山本は立ち上がり、焦るように叫んだ。しかし教師は苦々しい顔をしながら、山本を制する。


「いまは発表の途中だ。静かにしていなさい」


「はい……」


 山本はうなだれるように椅子に座り込むと静かになった。それから上の順位のものがだんだんと呼ばれていくがまだ頭内の名は呼ばれない。

 そして残りは二人、学年一の天才、中間テストの結果が482点にもなる天野と頭内だけになった。

クラス中がざわめき、これから語られる結果をまつ。


「2位は天野!九教科合計点数は856点!」

 

 この点数には皆、おぉ〜、と感嘆の声をあげた。


 そして一位が発表される。


「一位は頭内!九教科合計点は10056点!!」


 な、なんだって〜!!

 クラスの皆が一斉に声を上げる。

 満点だとしても900点、それを遥かに超える点数に皆が疑問の声をあげる。


「満点でも900点のはずじゃないですか!!」

「そんな点数、いままで見たことない!!」

「なにかズルをしたんだろ!」


 頭内は顔を振り、やれやれと言った感じで言葉を発する。


「簡単な話さ、俺はある特定の教科でテストにおける判定基準を超えるほどの結果をだした。ただそれだけのこと……」


 頭内はなにも難しいことじゃないと言いたげに答えた。


「……これが頭内の10000点の解答用紙だ……」


 担任が黒板に貼り出した答案用紙を見、皆が驚愕した。


「保健体育の座学の部分が突出している……?」

「それになんだあの回答量、裏にまでいってるぞ……」

「しかも特に女性の身体について、気持ち悪いほどの文章量と内容だわ、心底不快……」

「こんな回答出されたらお手上げだ……」


 皆が頭内の回答にあからさまに不快感をあらわにすると山本が叫ぶ。


「そんな!ありえない!!なんで一教科でそんな点数が出るんですか!保健体育の加藤先生に説明を要求します!!」


 山本の言葉に担任は首を振る。


「私が加藤先生から受けた説明は、答案用紙に書き込まれた執念さえ感じるその内容、回答の量。それらを考慮しての点数と告げられた。特に女性の身体に関しての記述は吐き気を催すほどの欲の塊で、男性ながら身の危険を感じた加藤先生は現在休職されている……」

 

 担任から山本に事実を告げられる。

 山本はその担任の言葉を聞きうなだれこんだ。


「そ、そんな……」


 その様子をみた頭内は、ふっと笑い皆に言う。


「加藤先生が休職……?それって俺の回答のレベルが低すぎたって意味だよな?」


「「「気持ち悪すぎるって意味だよ!!」」」


 うなだれる山本から漏れ出る鳴き声と、女子から頭内に向けられる侮蔑の視線だけがクラス中に広がった。







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