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【46】調子に乗って食べ過ぎて

 あたし達はお風呂から出て少し街をぶらりとしていた。


 夕方に近づいた街は活気にあふれている、夕食の買出しの客が多いせいだろう。

 目的もなくぶらりとしてるあたし達は、そんな人々がハチの様に店から店へと行き交う様子を眺めながら歩いている。

 夕食は6時ちょっと過ぎ位の予定だから、少し腹ごなしをするつもりなんだ。


『あたし……、ヘリオに悪いことしちゃったんにゃん』


 やっぱりクリーダの言う通りだ、ヘリオに提供してもらう事は多分彼の未来を不幸にしてしまうだろう。

 それにあたしも二度と会わないと言うのは少し気分的にひっかかるんだ。

 恋愛対象じゃなくてもせっかく知り合った人と二度と会ってはいけないって言われると流石に気になるもんだよ。

 そう、これはそういう類のひっかかりなんだよ。


「ヘリオさんも子供じゃないんです、自分の考えに責任を持って生きているはずなのですから、あなたは全く気に悩む必要はないですよ」

『んー……そりゃそうだろうけど』

「それより、随分と男性の体に興味がある様でしたけど、

 わたしはその事の方が心配です」

『へ?』

「あなたが男性に目覚めてしまうのではないかとハラハラしていました」

『いんやぁ、あれはただの興味本位というもので

 ヘリオは恋愛対象とは違うんだんにゃん』

「では、あなたにとってヘリオさんはどういう存在ですか?」

『存在? なんだろー? 何か面白い友達? かんにゃん?』

「(ほっ……)お友達なら、なお更ジロジロ見るのはどうかと思いますよ」

『うぅむ、言われてみればそうだんにゃん』


 あたし達は散歩を終えて魔戦士組合のテントに戻って来た。ヘリオも既に戻ってのんびりと横になっていた。

 他の組合員も本を読んだり、道具の手入れをしたり好きにしてまるで緊張感は感じられなかった。


「お? 随分と遅かったな」


 あたし達が戻ると起き上がって、陽気な口調でそう言ったんだ。


『うん、街を散歩して来たんにゃん』


 よかった、ヘリオの様子はまた元に戻っている。あれから気まずいままだったらどうしようかと思っていたから安心したよ。


『ベイカであたし達がこの作戦に参加する時、

 もう2人ここに向かってるって聞いてたんだけど、ヘリオの他のもう1人って誰だろうんにゃん?』

「ん? まだ他にも居たのか?

 オレはここに来てる連中とは一通り話をしたが、そんな奴は居なかったぞ?」

『んー? そんじゃ遅刻でもしてるのかんにゃん?』

「まぁ、明日の朝に間に合えば問題ないんだ

 その時に来るのかもしれんぞ?」

『そだった、

 ところでヘリオは明日の作戦、どう戦うつもりなんだんにゃん?』

「どうって、オレは目の前に現れた敵をただ倒す事しか考えてないが」

『そか、そんなもんでいいのか』

「んあ? 他に何か必要な事なんてあるのか?

 いつもオレはそのやり方でやってるんだが」


 ヘリオって極めて単純でとても作戦とは言えないやり方がよく似合いそうだ。

 もし、事前説明で「目の前に敵が現れたら倒せ、以上」だけだったら、今日の夜8時にある事前説明も1分もかからないだろうな。


「ファイターというクラスは真正面から戦うのが一番得意らしいです」

「お? クリーダお前よく分かってるな」

「それ故に、それ以外の戦い方をする器用さはないそうです」


 目をつむってそう言うクリーダのこの言葉はもちろん冗談半分だ。


「ワハハ! まぁ実際そうなんだがな」


 もちろん、ヘリオの戦闘中の解析力が相当なもんなのはクリーダもよく分かっている。

 戦いの中で相手を瞬時に見切り、どう対処すればいいかの答えを導き出す事が出来るんだろう。

 クリーダの丸い玉の魔法も一瞬で見抜いてたし、あたしが地面センサーを使ってる事もバレてた、更にそのセンサーに死角が存在する事までも分かってしまう程なのだから。



~~~~~~


 少し休んだ後、あたし達は夜の食事へと出かけた。そしたら、ヘリオも一緒に行くって付いてきたよ。

 でも、夜は軽めにしないといけないからどうしようかって思ってたけど、ヘリオがヘルシーな上に凄くおいしい食べ物があるって案内してくれたんだ。

 その食べ物って言うのはオスシって言って、あたしは初めて見る食べ物だったさ。

 そのオスシと言う謎の食べ物は、ご飯を小さく丸めた様なご飯にワサビとかいうツーンとするハーブが塗ってあって、その上に生のお魚の切り身が乗ったものだった。

 それをショウユっていうソースに付けて食べるんだけど、ご飯のすっぱさとワサビの辛さ、そしてショウユとお魚の切り身が織り成す絶妙なハーモニーにカルチャーショックを覚えてしまった。


『な……ッ!? なんてうまさなんだーーーッ!?

 オスシ考えた人ってきっと天才なんだんにゃん!』

「これ、すごいおいしいです……驚きました」

「だろー? これで寿司の虜がまた二人増えたな」


 余りの美味しさに軽めを一瞬で通り越して、お腹イッパイに食べちゃった。

 こんなおいしいお店がたくさんあるなんて、リドナの街に住んだらきっと危険だろうね。


「お前らなぁ……案内はするって言ったけど、食事代まで出すとは言わなかったぞ?」

『ふぅ……しこたま稼いでるんだからケチ臭い事言うな』

「ごちそうさまです、とても美味しかったですよ」

「その稼いだ金が今なくなったんだが……」

「宵越しの金は持たない主義ならば問題ないですね、また誘ってください」

「はぁー、やれやれだぜ」


 クリーダににこやかな笑顔でそう言われて、ヘリオはやれやれと言う様なポーズをしていた。


『うー、調子に乗って食べ過ぎたんにゃん』


 あたしはお腹をさすりながら食べ過ぎた事を少し後悔していた。


「どれどれ?」


 そう言って、ヘリオがあたしのお腹をさすった。


「ふむ、もう何ヶ月目かって感じだな」

『ウァァァァァァァァァーーーッ!!』

「うわっと!? どうしたんだ!?」

『なーんて事してくれるんだにゃん!』

「何だぁ!? もしかして恥ずかしがってるのか?」

『あったり前だァッ!』

「裸は見られても平気なのに不思議な奴だな」


 この時、てっきりまたクリーダの制裁が入るかと思ったけど、何故か黙ってあたし達の様子を眺めているだけだったよ。


「しかし、お前の食べた量にオレは衝撃を覚えたね」

『なんの! もしあれがドーナツだったら倍は食べれるんにゃん』

「はぁー、その小さな体のどこに入るんだかね」

『小さい言うの禁止だんにゃん』


 それにしても、クリーダは何故いつもの様に割って入らなかったんだろう? ヘリオはもう危険じゃないって思ったのかな?

 それはきっとあたしがヘリオに取られる危険性はないって安心してくれてるんだろう。

 信頼してくれてるなら凄く嬉しいな。ちょっとあたし達の関係も進歩した気がする。


 作戦前夜の最後の晩餐、あたし達は明日起こる驚愕の出来事をまだこの時は微塵にも予測出来なかったんだ。


何を隠そう、お寿司が大好物です。

お寿司をお腹イッパイに食べるととても幸せになれます^^

くれぐれも食べすぎに注意しないといけませんが。


作戦まであと少しになりました、最初はさっさと作戦へGO!と思ってたのですけど、お寿司やうなぎの素晴らしさを世間に広めたい一心で、大分時間がかかってしまいました(ノー`;)


そろそろ先の話を決めていかないといけませんね。前も書きましたが、候補がいくつもあってどれにしようか悩んだり、別の候補を考えたりしています、、


でわでわ、今後ともよろしくお願いいたちまつ(@^▽^@)♥


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